韓国の時代に即した主導力の高さ
では、そんな韓国がリードした今回のアワオーシャンコンフェレンスを振り返ってみよう。
会議では次の7つのテーマが掲げられた。
1.MPA(海洋保護区)
2.持続可能な漁業
3.海洋汚染
4.気候変動
5.海洋安全保障
6.ブルーエコノミー(海洋経済)
7.デジタルオーシャンズ(海洋のデジタル化)
ジョン・ケリー元国務長官の右腕としてホワイトハウスでこの会議の発足に尽力した、私の親しい友人でもある、米国「スティムソン」社のサリー・ヨーゼル氏によれば、当初は5つのテーマで議論されてきたが、途中でブルーエコノミーが加わり、この10回大会からデジタルオーシャンズが追加されたという。
ブルーエコノミーは、前述のエコノミスト社が主催しているワールドオーシャンサミットのメインテーマであり、これによって三大海洋会議の連携が強調されてきた過程がわかる。また、デジタルオーシャンについては、今回、韓国から提案された新しいテーマで、韓国の時代に即した主導力の高さがうかがえる。
この7つのテーマは、それぞれメイン会場で参加者が一同に会するプレナリーセッションとして議論され、このほかに、より専門的に突っ込んだ議論が74の公式サイドイベントとして繰り広げられた。
加えてこの機を活かして、プライベートミーティングやカクテルパーティ、ディナー、朝食会などが数多くセッティングされた。いつも述べてはいるが、このような国際会議の醍醐味は「廊下」である。
廊下で偶然に再会した人や新しく出会った人などとの交流で、スケジュール表は埋め尽くされ、受け取った名刺を入れるポケットはいっぱいになっていくのだ。
さらにメイン会場でのプレナリーセッションの終盤には、各国政府から自主的な公約を1カ国5分程度で発表する場もあった。昨年までは本会場の客席からマイクを持って舞台に向かって発表するスタイルだったが、今年は舞台上から客席に向かって宣言するようになった。
昨年までのように主催者側に向かって宣言するのか、今回のように世界中のオーディエンスに向かって宣言するのかの違いは、大きな意味を持つ。


