海外からの「インバウンド旅行者」が増える中、日本への旅行ガイドサイト「Boutique Japan」が人気だ。本稿はこの中から、日本ならではの文化「駅弁」の歴史と、そのたしなみ方をアドバイスした記事を紹介する。海外から見た駅弁の楽しみ方から、われわれ日本人が気付かされることも少なくないかもしれない。
そもそも「駅弁」とは何か?
日本は世界トップクラスの鉄道と優れた料理で有名だが、旅行者がその両方を体験するのに最適な方法のひとつが、「Ekiben=駅弁」を味わうことだ。
日本各地の駅で見つかる「駅弁」、それは単なる、あらかじめ調理され、箱に詰められた食事よりも奥が深い。最高峰の駅弁は、旅人に特別な食の体験を提供するべく、地元の味付けを取り入れ、色彩豊富な材料を美しく詰めている。
日本人にも愛され続けている駅弁とともに日本の名所を巡りながら、日本食を堪能してはどうだろう? 以下は、地元の人さながらに旅ができる「駅弁」を知って鉄道の旅を楽しむためのガイドだ。
「駅弁」という言葉は日本語の「駅」と「弁当」の略が組み合わさってできている。駅弁は新幹線の駅で売られており、それぞれの都道府県で、地方の食材と味付けを使っている。
栄養素が必ずしも豊富でないことも多いパック入りのスナックとは違い、駅弁は一般的に、質の高い食材を使っていることで知られる。栄養バランスを保つため、たいていの駅弁はお米や麺と野菜を使っていて、プロテイン補充のために、肉、魚介類や海産物も入っている。
オムライス、おにぎり、天ぷらや揚げ豆腐といった単純なものから、ウニ、牛タン、鰻、チャーハンや和牛といった高級なものもある。
中でもパン粉で豚肉を揚げてパンに挟んだ「カツサンド」は大人気の昼食で、ならんで人気があるのは餃子やお寿司の駅弁だ。持ち運べて、電車の中で食べられるものでさえあれは、たいていはどんな食事でも駅弁として楽しめる。
駅弁の外側を飾るパッケージにも意趣が凝らされている。エレガントだったり、お土産に相応しい一風変わった外見だったり。漆塗りされている木材であったり、陶磁のポットであったり、新幹線を形取ったプラスチック容器であったり——。駅弁の容器には、帰宅後、弁当箱として再利用してもらうことを想定しているものもある。
日本では、公共交通機関の中で飲食をすることはマナーに反するが、長距離を走る新幹線などは話が違う。マナー違反ではないだけでなく、それは日本の文化とさえいっても過言ではない。その証拠に、新幹線の席には食事のためのテーブルも備わっている。窓の外をよぎる風景を眺めながら楽しむ駅弁はとても魅力的だ。



