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2025.05.16 08:15

半数の営業が知らない「名刺の価値」と驚愕の放置率

Getty Images

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名刺は立ち上がって目下の者から「申し遅れました」などと言いながら渡す。相手の名刺よりも低い位置に両手で差し出し、いただいた名刺はすぐにしまわずに内容をよく読む。名刺切れは相手に大変に失礼だし社会人としてどうかと思われる……などと名刺交換には厳しいマナーがあるものの、もらった名刺のその後の行方を調査したところ、じつに寂しい結果が出た。

営業DXサービスなどを展開するSansan(サンサン)は、名刺管理サービスを導入していない購買部門などの買い手側の会社員622人、営業部門などの売り手側の会社員650人を対象に「名刺交換後の営業・購買活動の実態調査」を実施した。

それによると、名刺を受け取った買い手で、過去1年間に受け取った紙の名刺を何かしら整理できている人は約42パーセント、できていない人が約58パーセントとなった。また、紙の名刺が未整理だったり紛失したりして必要な連絡先がわからなくなった経験のある人は約40パーセントにのぼった。

名刺を整理しない理由のトップは「時間がない」(約40パーセント)だった。続いて「すぐに連絡する予定がない」も約35パーセントと多い。

また買い手が必要な商談相手の連絡先を探す手段としては、メールボックス内の検索がトップで約69パーセント。整理されたファイルや名刺が約50パーセント。ここではそこそこ名刺が活用されているが、メールボックスが圧倒的に多い。つまり、売り手からのフォローメールがその後のビジネスチャンスに大きく影響することがわかる。名刺をなくしてしまってはメールも出せない。

ところが、売り手でフォローメールをかならず送るという人は10パーセントに満たない。まったく送らない、あまり送らないはあわせて約47パーセントにのぼる。せっかくもらった名刺を活かしきれていないということだ。名刺交換は単なる「儀式」と化してしまったのか。

名刺を「企業の資産と捉え、正確にデータ化し全社で活用できるデータベースを構築」して新たな市場を切り拓いてきたと自負するSansanは、担当者のほぼ半数が名刺を活用していないということは、名刺を渡していないのと同じだと指摘する。もらった名刺は大切にしましょう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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