50年以上の時を経てリブート、劇場アニメ化された「ベルサイユのばら」や、海外CGアニメとしてリブートされた「鉄腕アトム」もあるあたり、ただ有名なキャラを採用したというよりは、日本のアニメの魅力を系統立てて伝えようという気概すら感じる。この研究心、まるでイタリア人の日本文化への求愛行動では、とさえ思えた。
「日本のアニメにお詳しいんですね」と店員さんに声をかけたところ、「ラボの職人たちがみんなで相談して企画したんです」とのこと。
アニメキャラの卵、お菓子としては「美味しそう」「食べたい」と思うものではないが、こうやってチョコレートを使って日本の文化を展示してくれるというのは日本人としては嬉しくなってしまう。
そういえばイタリアでは去年、筆者が今いちばん好きなファッションブランドMomoniのネットショップを見ていたら、「Sayuri」や「Dorayaki」という名のコート、「Ichigo」という名のシャツ、「Kitsune」という名のジレ、「Sansei」という名のパンツなど、コレクションすべてに日本語の名前がついていて驚いた。日本人にとってはむしろ新鮮な言葉のチョイスでもある。
https://www.instagram.com/momoni_official/
スウェーデンでは子供たちに人気なのが、YUMI&TOMUという2人組のお姉さんとお兄さんで、スウェーデン人なのだが一時期日本にも住んでいた日本好きのカップルだ。本やキャラクター商品も多い。https://www.youtube.com/c/yumitomu
夫が子供の頃もイタリアでは『ドラゴンボール』や『キャンディ♡キャンディ』他、たくさんの日本のアニメがテレビで放映されていたというし(主題歌はもちろんイタリア語)、娘の世代ともなるとインターネット上にアニメも漫画もほぼなんでも見つかる。
以前は違法なものが多かったが、現在は日本の出版社が対策を講じ、海外でもオフィシャルなものを手に入れやすくなる努力が行われている。日本に大勢の観光客がやってくるのも、アニメの魅力が大きく寄与しているはずだ。これからも日本独自のセンスで世界を魅了していってほしい。

久山葉子(くやまようこ)◎スウェーデン語文学翻訳者、エッセイスト。 高校時代に1年間AFSでスウェーデンに留学。東京のスウェーデン大使館商務部勤務を経て、2010年に日本人家族3人でスウェーデンに移住。現地の高校で日本語を12年間教えた。著書に『スウェーデンの保育園に待機児童はいない』、訳書に『スマホ脳』『多動脳』『サルと哲学者』『メンタル脳』『最適脳』『にゃんこパワー』など多数 。


