──「インサイト」を見つけるための実践的アプローチとは。
佐藤:第一印象を大事にすることです。常識や一般的な意見などに流されてしまわないように、自分が納得できないことや違和感はインサイトの卵として残しておく。
阿佐見:難しく感じる人もいるかもしれませんが、プロたちも日々訓練を重ねています。「ヒット商品はなぜ人気になったのか」「映画で心が動いたポイントは何か」など、あらゆる現象の裏側にあるホンネや狙いを逆算して考えてみてください。さらに、主観を大事にしつつ、対話を通じて異なる価値観に触れることで、自分の考えを正確に言語化し、インサイトへとつなげることができるのです。

さとう・まき◎電通 第3マーケティング局 シニア・マーケティング・ディレクター。慶應義塾大学卒業後、2004年に電通入社。100社以上の広報戦略、新商品開発などを手がける。共著書『場所のブランド論』など。
あさみ・あやか◎電通 第4マーケティング局 マーケティング・コンサルタント。早稲田大学卒業後、2009年に電通入社。大手からベンチャーまで多業種のマーケティング戦略や商品開発に携わる。