アジア

2025.05.13 08:45

すでにゲームは終わった。李在明政権の人事で、日韓GSOMIAお騒がせ人物の名も

李在明氏(Photo by Chris Jung/NurPhoto via Getty Images)

金氏は今年初めに李在明キャンプに合流し、政権高官の座を狙っていると、ソウルの政界雀たちはみている。元高官は「金氏は日本に住んでいた小学生時代、民族的なひどい差別を受けたと語っていた。薩長同盟という発言は、李在明政権が米国にとっても安心できる存在だとアピールしたいための発言で、金氏が日本ファンだということではない」と語る。ただ、韓国政府の一員ではない金氏の面会相手は限られていたようだ。文在寅政権時代に知り合ったアレックス・ウォン米大統領副補佐官は今月、マイク・ウォルツ大統領補佐官とともにホワイトハウスを去った。金氏の面会先はそれよりも下のレベルとみられ、ほとんど影響力を行使できなかった模様だ。

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早くもポスト争いが始まった李在明キャンプだが、李氏はどう考えているのか。元高官は「李氏は城南市長や京畿道知事としての行政経験があるため、実用的な話を好む。行政や政治経験がなく、夢物語のような政策構想に踊らされた尹錫悦氏とは違う」と語る。尹氏が、政権構想などを美しく語ったポリフェッサーと呼ばれる政治色の強い学者を多数登用したのに対し、李氏は公務員経験者を数多く起用するのではないかと言われている。

元高官は「李氏は怖い人物。相手に李氏と親しいと思い込ませるのが得意だが、自分自身は誰も信用していない」と語る。極貧生活を送り、数多くの疑惑事件などをくぐりぬけて来た半生から得た教訓だという。

いずれにしても、ソウルではすでにこうした「李在明人事」があちこちで語られ始めている。大統領選など単なる通過儀礼にしか過ぎない。民主主義国家としては寂しい光景だが、これも戒厳令を布告した尹錫悦氏の責任と言うほかはない。

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文=牧野愛博

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