ジュノーに搭載されている動作中の観測機器の1つ、マイクロ波放射計(MWR)はこのミッションのために特別に開発されたものだ。
ボルトンによると、この種の観測機器の1つを地球上で飛行させ、地球の火山を調査することが検討されている。MWRは、ジュノーによる探査活動で木星の雲頂の下を調べ、木星の化学組成や木星の嵐の力学的特性を解明するために開発されたという。だが、MWRをイオに向けると、思いがけないことに、岩石と溶岩の内部を調査し、イオの地下構造の内部を初めて実際に垣間見ることができたと、ボルトンは説明している。
ジュノーの現在の延長ミッションは、追加的な延長だったものの、来る9月に終了する予定だ。2011年に打ち上げられ、2016年に木星に到達したジュノーはそれ以降、多数の科学的成果をもたらしている。
このミッションは、NASAの創意工夫の才を最もよく表している。
ボルトンによると、人類として実行可能な最もすばらしいことの1つは、惑星や恒星の周囲での航行方法を考え出すことだ。木星や土星、天王星や海王星をロボット探査機で訪れ、そこに到着するとすぐに周回軌道に乗り、まるで車でガソリンスタンドにでも行くかのように、惑星の衛星の周りを航行できるというのは、本当に驚嘆すべきことだという。ある意味、昔の船の航路を定めるのに用いられていたのと同様の方法で、今でも星を頼りに航行を行っているが、現在航行しているのは太陽系の天体の間なのだと、ボルトンは話した。