アプリやOSの通知の視認性を高める「ライブアップデート」も追加される。ダイナミックアイランド搭載のiPhoneが採用する「ライブアクティビティ」に近い機能と言えばわかりやすいだろうか。Uber Eatsによるデリバリー、地図のナビゲーションなど情報がリアルタイムに更新されるアプリの稼働中に、アイコンをステータスバーに常時表示する機能だ。アイコンをタップするか、または画面を上から下にスワイプするとライブアップデートのウィジェットが表示される。ライブアップデートをロック画面上で確認することも可能だ。
ユーザー体験の向上とともに、Android 16では安全・安心を高めるセキュリティ・プライバシー系の機能も強化される。Googleが2024年にPixelシリーズのスマートフォンに搭載した「通話スクリーニング」は、ユーザーが電話に出る前に発信者と用件をAIが確認して、迷惑電話や不要な電話に出る手間を省いたり、ユーザーを悪意ある詐欺行為から守る機能だ。次期Android OSのアップデートではメッセージアプリの「スキャン検出機能」をすべてのAndroidデバイスに提供する。Googleによると、読み込まれたSMS/RCSメッセージを解析して、フィッシングや詐欺の疑いがあるメッセージをブロック・警告してくれる機能になるという。ユーザーのプライバシー保護に万全を期すため、解析処理はすべてオンデバイスAIで行う。
デバイスの紛失追跡機能である「Find My」を「Find Hub」としてさらに使いやすくする。従来から実装するデバイスの紛失追跡に加え、家族や友人との位置情報共有を加える。紛失追跡はさらに幅広く外部パートナーとの協業を図り、多様な追跡タグを使えるようにする。UWB(超広帯域)に対応するタグのサポートも含まれる。近くモトローラからUWBに対応するデバイスが商品化され、数センチ単位の測位で紛失物をピンポイント追跡できるようになるという。また年内には衛星通信との連携も計画されており、通信電波の圏外にあるデバイスの位置情報送受信が可能になる見通しだ。
GoogleはこのFind Hubを純正のPixelデバイス以外にもすべてのAndroidデバイスで利用可能なサービスとして、「安全・安心なAndroid」のイメージ強化を図る考えだ。
Googleはデバイスの特性に合わせたOSと機能の開発と平行しながら、今度はGeminiのような「インテリジェントなAIオペレーティングシステム」を各OSの上位レイヤーに置いて、デバイスを超えた便利な機能や体験をユーザーに提供することにも力を入れるだろう。
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