文法よりも「伝えること」が英語の本質
完璧な文法にこだわって言葉が出てこないよりも、シンプルな英語で伝える方が、はるかに効果的である。
I go shop. → 通じる
I eat sushi yesterday. → これも十分に伝わる
もちろん正確に詳しく言えば、
I went to the shop earlier today to buy a few things I needed.
I had sushi for dinner yesterday at a little restaurant near the station.
というふうにも言えるが、そこまで考えて話すのは難しい。
だからこそ最初は、“I go shop” で通じるという自信を持っていい。
ネイティブスピーカーも細かなミスは気にしない。むしろ、「英語、頑張ってるね」と笑顔で応じてくれる。
「難しい言い回しを覚えるより、基本の言葉を自在に使う」
これだけで、英語はぐっと身近になり、自然に会話が生まれてくる。
シンプルな英語 × 前置詞 × 基本動詞。この土台さえ整えば、英語は誰にでも話せるようになる。
完璧さよりも、まずは「伝えること」。そこから、英語力は着実に育っていく。
英語が話せるようになるために、今すぐできることをまとめると、以下の4つになる。
難しい単語の暗記はいったんストップする
まずは850語の「使える英語」から始める
話すためのトレーニングを、コツコツと続ける
間違えても、堂々と話す
——最初の一歩は、小さくて構わない。シンプルな英語で、自分の気持ちや考えを伝えること。そこから、英語は自分の武器になっていく。
Let’s keep it simple. そして、話せる英語を一緒に育てていこう。

酒井一郎◎慶応義塾大学商学部卒業、米国シンプソン大学アメリカ研究科卒業。英検面接委員を19年間務める(1992〜2011年)。東京・吉祥寺で英会話スクールを37年間経営、5200人を超える受講生の直接指導も。自著『あなたの英語の勉強を楽にしてあげたい』(2001年10月、草思社刊)により、「Simple English/シンプルイングリッシュ®」を日本で初めて提唱、特許庁より登録商標される。執筆した著書19冊は累計42万部刷(うち4冊は韓国、台湾で翻訳出版)。それらの自著は早稲田大学教育学部、法政大学、東京理科大学、明星大学、日大文理学部、NHKカルチャーセンター、日商岩井、服部調理師専門学校などで採用された。文部省下の教科書の単独執筆もある。