ハッブル宇宙望遠鏡が米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル「ディスカバリー」の貨物ハッチから宇宙に放出されたのは35年前、2009年4月24日のことだった。打ち上げ直後に重大な不具合が発覚するトラブルがあったものの、この宇宙望遠鏡は人々の目を驚かす画像を次々と送り、宇宙のありのままの姿を明らかにしてきた。
人類史上有数の貴重な発明となったハッブル望遠鏡の打ち上げ35周年を記念し、NASAは今年4月23日、4枚の壮麗な画像を公開した。
新たに公開されたのは「『衝』間近の火星」「惑星状星雲NGC 2899」「バラ星雲の暗い雲」「棒渦巻銀河NGC 5335」の4枚だ。いずれもデータが最初に収集されたときには利用できなかった最新の画像処理技術を用いている。

NASAによると、ハッブル宇宙望遠鏡はこれまでに約5万5000個の天体に対して計170万回以上の観測を実施。得られた400テラバイトを超える観測データは、2万2000本以上の科学論文に引用されている。
NASAは4月以降、散開星団NGC 346、ソンブレロ銀河、わし星雲など、最新の画像処理技術を用いたハッブル望遠鏡の画像を次々と公開している。
「宇宙への窓」
「ハッブルは35年前に打ち上げられたとき、宇宙への新しい窓を開いた」。米首都ワシントンにあるNASA本部で天体物理学部門ディレクター代行を務めるショーン・ドマガルゴールドマンは、記者会見でこう語った。「すばらしい画像の数々は世界中の人々を魅了し、それらの画像の元となったデータからは、初期の銀河から私たちが暮らす太陽系の惑星まであらゆる驚くべき発見がもたらされた」
