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2025.05.12 12:30

今AI向けで有望な投資先は? 「電力需要爆増」解決に貢献できる新興企業はどこか

Shutterstock.com

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データセンターが環境に与える影響は、特に人工知能(AI)向けのコンピューティング需要の高まりによって巨大なものになっており、今後さらに拡大する見込みだ。主要なテック企業は、再生可能エネルギーへの投資を進めているものの、AI関連の計算需要が3~4カ月ごとに倍増している状況下では、それだけでは問題を解決できない。

国際エネルギー機関(IEA)の推計によれば、データセンターは現在、世界の電力消費の1%、温室効果ガス排出量の0.6%を占めており、これらの数値は2030年までにそれぞれ2.8%と1.9%に拡大すると見込まれている。

この課題を解決する上で、コンピューティングのアーキテクチャの再構築によって、データセンターの効率性を高め、環境に優しいものにすることは有効だろうか?

クリーンテック分野への資金流入が急増

欧州のクリーンテック企業に投資するベンチャーキャピタルWorld Fund(ワールドファンド)とインテルのスタートアップ支援プログラムのIgnite(イグナイト)、調査会社Dealroom(ディールルーム)による新たなレポートは、従来のシリコンに代わる半導体材料や量子コンピューティング、ニューロモルフィック・システム(人間の脳の働きを模倣するコンピューティング手法)といった次世代の計算パラダイムが、こうした問題を緩和する可能性に光を当てている。

この報告書は、これらの分野で活動する欧州のスタートアップや高成長企業に焦点を当てて、クリーンテックを意識している投資家向けに最新の投資機会を紹介している。この分野への資金流入は急増しており、同報告書では、すでに合計15億ドル(約2180億円)を調達した65社のグリーンコンピューティング系の新興企業が紹介されている。ただし、報告書内でも明言されているように、いずれのソリューションもAIの電力消費の問題を一挙に解決できる魔法の手段ではなく、技術的・地政学的な要因も考慮に入れる必要がある。

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編集=上田裕資

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