エコシステム

2025.05.09 17:45

日本発のスタートアップ関連人材養成機関「11KS」創設者の育成論

それと、いくつかの専門的な教育プログラムを立ち上げようと考えています。その一つは、フェローシップについてのアイデアです。「教員諮問委員会」を立ち上げ、そのベースを作り始めています。一流の大学に働きかけ、教員たちを特定しようとしています。これは年齢や経験ではなく、専門性や起業への深い理解にもとづきます。私たちがやろうとしていることを理解してくれる教員たちには、同じような考えをもつ学生たちが集まる傾向があります。その才能の宝庫を活用したいのです。

advertisement

とはいえ、年齢など特定の制限を設けるつもりはありません。世界を変える組織を一緒に作りたい、という意志さえあれば入学を許可されます。「リーダー」がフェローシップの中心になりますが、それを厳選された「フィーダー」で囲むのです。

教える側の人々は、私が生涯を通じて教わってきたのと同じ専門家たちです。そういうコミュニティを築きたいのです。最高の助言をできる人々を連れてきますよ。人間関係で本当に効果的なのは、適切な人々を選びさえすれば、互いに最高の教師になるということです。

重要なのは、この“ナラティブ(物語)”を慎重に扱わなくてはいけないということです。「15〜20人を集めて、数年間だけ教えよう」ということではありません。そうした関係はさして価値をもちませんから。真に価値があるのは、10年、15年、20年と年数を重ねた緊密なコミュニティであり、その絆が強くなり、各グループが年を重ね、より経験を積み、より成功することです。

advertisement

人数は増えますが、コミュニティの各メンバーは影響力をもつようになり、「知識体系」が手に入ります。カウフマン・フェローズも“身体をもつベンチャー投資版チャットGPT”のようなものです。「これを知りたいんだけど」とWhatsAppのチャット欄に投げかければ、チャットGPTほど早くはありませんが、1時間後、遅くとも翌日には返信が来ます。要は、知識があって自分の限界を自覚している、寛大で信頼できる人々の生きたデータベースなのです。

11KSの設立時代表理事を務める、Sozo Ventures共同創業者のフィル・ウィックハム
11KSの設立時代表理事を務める、Sozo Ventures共同創業者のフィル・ウィックハム
次ページ > ベンチャーファンドとして教育に投資する理由

文 = 井関庸介 写真 = 能仁広之

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事