経営・戦略

2025.05.09 12:00

中国の吉利汽車、傘下のEVメーカー「Zeekr」を米上場廃止 完全子会社に

Anusak Laowilas/NurPhoto via Getty Images

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中国の自動車メーカー、吉利汽車は5月7日、ニューヨーク市場に上場している傘下の電気自動車ブランド「Zeekr(ジーカー)」の株式を非公開化し、完全子会社化すると発表した。これを受け、吉利汽車の香港上場株は8日午前に一時6.7%上昇した。

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7日の証券取引所への提出書類によると、吉利汽車はジーカー株の約65.7%を保有しており、残りの米国預託株式(ADS)を1株あたり25.70ドルで買い取る意向だ。フォーブスは、吉利汽車が支払う金額を約22億ドル(約3200億円)と試算している。

現在の時価総額が64億ドル(約9320億円)のジーカーは、今から約1年前となる2024年5月に米国で新規株式公開(IPO)を完了させていた。アナリストは、同社の非公開化には複数のメリットがあると考えている。シンガポール拠点とするDZTリサーチのアナリスト、ケ・ヤンによると、吉利汽車の動きは、米中間の緊張が高まる中で、中国企業を米国市場から締め出そうとする動きに先手を打つ戦略と見られるという。

ジーカーは、アリババやJDドットコム、PDDホールディングスなどの中国企業と並んで、米共和党の議員たちから米国の証券取引所からの締め出しを求められている。先週、議員らは米証券取引委員会(SEC)に書簡を送り、これらの企業が中国の軍事力を支援しつつ、米国資本を引きつけていると主張していた。

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ジーカーの非公開化はまた、吉利汽車にとってグループ内の再編を通じたコスト競争力の強化にもつながると見られている。吉利汽車は、ジーカー以外にも複数の自動車メーカを保有している。同社は、ロータスやボルボなどを買収し、グローバルな自動車帝国の構築を進めてきた。

上海のコンサルティング会社オートモーティブ・フォーサイトのヤエル・チャンによると、中国国内での競争が激化する中、ジーカーの非公開化は親会社の吉利汽車が、市場の機会に集中するための助けとなるという。これにより、ジーカーのオペレーションの効率性が改善され、サプライチェーンの資源配分も調整しやすくなり、「シャオミのような企業と競争するうえで、ブランドの競争力を高めることができる」と彼は続けた。

チャンはまた、ジーカーが今年、製品の魅力やマーケティング施策の改善によって、年間32万台の納車目標を達成できると見込んでいる。この台数は、2024年の28万5441台から12%の増加となる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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