新規事業

2025.05.10 14:15

大企業におけるイントレプレナーの実態と育成の課題

iQoncept / Shutterstock.com

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「VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代」と言われて久しい今、世界は目まぐるしく変転し揺れ動いています。米国新政権樹立後の世界経済の急激な変動と混乱はVUCA的要素が更に強まったと感じられている方も多いでしょう。VUCAの時代を背景に、多くの産業と企業で新産業・新事業の創造の必要性が叫ばれている一方、新しい事業構築・創造に苦労している組織も少なくない様に見えます。このような環境において、企業が生き残る為に求められるのが「新たな価値を創造する力」、すなわちイントレプレナー(社内起業家)の存在です。

では、実際のところ、組織におけるイントレプレナーはどのように育成され、どう活躍しているでしょうか?

オフィスちゃたにでは2025年4月、従業員1000名以上の大企業の経営者107名に対して、イントレプレナーに関する実態調査を実施しました。

回答の経営者は大半が50歳・60歳台

従業員1000名以上の企業経営者という事もあり、年齢・性別分布は50歳台、60歳台が大半を占めることとなりました。今回のイントレプレナーの社内状況に関する調査結果からみえてきたのは、挑戦者たちのリアルな姿と、組織が抱える課題でした。

【結果1】イントレプレナー不在の企業が約半数 

新規事業創出の必要性が叫ばれる一方で、実に約半数の企業には「社内起業家」が存在していませんでした。

既存事業においては、組織・仕組み・ルールは既存事業の効率の最大化と事業規模の極大化に最適化されているため、新規事業の様に既存事業の枠組みを敢えて越えることが容易でなく、既存事業からリモートな分野へのプロットを行おうとする活動との相性が良くありません。

イントレプレナーを社内においていないという約半数の企業ではそのニーズがないという事かも知れませんが、VUCAな時代を生き延びる為には方法論は別として新規事業・新規分野への展開を模索し続けることは極めて重要とみています。

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文=茶谷公之

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