GX(グリーントランスフォーメーション)に本気で取り組む日本企業の現在地を測る、5つのランキング

ESG投融資額ランキング

〜ESG投融資額に見るGXへの「積極性」〜ランキング上位7割を地方銀行が占める結果に〜

advertisement
Measured by ASUENE
Measured by ASUENE

選定方法:
 ・直近の会計期間にて国内売上高TOP50の日本の銀行が対象。
 ・対象企業のESG投融資額を売上高で割ることで、企業規模に依存しないESG投融資への積極度を評価。
指標:
 ・単位売上高あたりのESG投融資額
 ・分子:対象企業の2023年度ESG投融資額(億円)、分母:2023年度の売上高(億円)
対象企業:直近の会計期間で売上が国内TOP50の日本の銀行
データソース:各社HPやサステナビリティレポート等
備考:
 ・金融事業者のなかで、保険会社やリース業は対象外とした ・ESG投融資額は融資と投資の両面を含む
 ・ESG投融資額は累積額のみの記載がある場合は、前年度末累積との差分で当期投融資額を推定した

GXの旗をいかに強く振ろうとも、投融資が集まらなければ絵に描いた餅だ。その牽引役となったのは、意外にも武蔵野銀行、群馬銀行などの地方銀行だ。2024年度に組成された1044件の「SLL(サステナビリティ・リンク・ローン)」の9割以上を、地域金融機関が占めていた。


地銀は以前からESG投融資に積極的に取り組んでおり、地方企業への融資を促進する機会としてESGの文脈を活用している。なかでも、地銀間連携の枠組みである「TSUBASAアライアンス」の参画企業がランキング上位に複数社入っており、地銀間での情報共有がESG投融資の拡大に一層の弾みをつけている。

advertisement

TSUBASAアライアンスにも参画する武蔵野銀行はSLLの第1号案件として、定置型燃料電池の基幹部品である「セパレータ」で世界トップシェアを誇る粉末冶金メーカー「ポーライト」に融資を実行した。

また、京葉銀行は2030年までにESG投融資で1兆4000億円、うち環境分野向けで7000億円という野心的な目標を掲げている。大胆な数値だが、土地資源を活かした大規模な再生可能エネルギーの電源開発・投資プロジェクトを地域一体となって推進し、着実に実行額を伸ばしているという。

ESG調達額ランキング

〜ESG調達額に見る今後のGXの流れ〜不動産・建設業、交通・運輸業がランキング上位を占める結果に〜

Measured by ASUENE
Measured by ASUENE

選定方法:
 ・ 『環境省グリーンファイナンス・ポータル』のデータベースに掲載がある企業のうち調達額上位100社を対象とする。
 ・対象企業のESG調達額(※ローンのみ)を売上高で割ることで、企業規模に依存しないESG調達への積極度を評価する。
指標:
 ・単位売上高あたりのESG調達額
 ・分子:グリーンローン(GL)+サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)の累計発行額(2022年1月~2025年1月)、分母:対象企業の売上高(直近年度)
対象企業:環境省グリーンファイナンス・ポータル掲載企業のうち調達額上位100社
データソース:
 ・ESG投融資調達額:環境省グリーンファイナンス・ポータル
 ・売上データ:各社HP等
備考:
 ・ボンドは含まず、ローンのみを集計
 ・本コンテンツはESG調達に焦点を当てており、投融資が主目的と考えられる金融事業者はランキング対象外
 ・組合等はランキング対象外

驚くべきことに、ランキング上位企業では累計ESG調達額は売上金額の10%以上に相当しており、ランキング上位は不動産・建設業や倉庫業など、リアルアセットを保有する業種が大半を占めた。

リアルアセットをもつ企業は排出量も多いので脱炭素化対策が必要であり、なおかつ再エネ導入によるScope2削減といった施策に取り組みやすいので積極的に資金獲得に動いていると推測できる。

例えば「毎日コムネット」は、ZEH-M Oriented(省エネ住宅の認定基準)認定予定の学生マンションや賃貸住宅を対象に、グリーンローンで130億円超の資金を調達した実績をもつ。

同様に「いちご」は、2025年までに事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーへと転換する目標を掲げており、「いちご米沢板谷ECO発電所」の建設資金借り換えによる調達も実施した。

本ランキングは、日本企業がGXという時代の要請にいかに向き合い、行動しているかを多角的に映し出す鏡である。「セイコーエプソン」の環境調和の理念から始まり、物理アセットを大量に保有する企業による「再エネPPA」、地銀連携によるESG投融資の盛り上がり、リアルアセットの活用例など、地方創生にもつながる動きが顕著だ。

企業のGX推進は、もはや選択肢ではなく持続可能な未来を築くための前提条件であり、それをいかに本業と結びつけ、成長機会へと昇華できるかが鍵となる。社会全体で脱炭素・サステナブルな経済構造への移行を進める中で、各企業の挑戦と創意工夫はGXの潮流をつくり出している。本ランキングを通じて見えてきた企業の姿勢と取り組みの本質が、次の行動のヒントとなることだろう。

text by Ryoichi Shimizu | edited by Akio Takashiro | Photo by shomos uddin/Getty Images

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事