ウェイモはZeekrの計画に関する詳細を明かさなかったが、米国内でのテストは継続中で、公道での使用許可に向けた衝突試験も完了済みだと述べている。
メサの工場の周囲には十数台のZeekrが駐車されており、テストのためにトラックで運ばれていこうとしていた。広々としたキャビンを持つ、乗り降りがしやすいスライド式ドアを備えたこの車両は、ロボタクシーの魅力的な選択肢になりそうだ。この車両は、ウェイモの競合Zoox(ズークス)が開発中の小型電動バンよりもやや大きいサイズだ。
テスラを圧倒するテクノロジー
ウェイモのロボタクシー分野の競合になることを目指すテスラは、昨年秋に披露した「サイバーキャブ」を用いることで、ウェイモを大幅に上回るコスト優位性が実現できると主張している。しかしそれは同社が、ウェイモよりはるかに洗練度の低いセンサーとコンピューティングシステムを用いているからだ。
ウェイモのロボタクシーが、高性能なLiDARやセンサーを搭載しているのに対し、テスラは500万画素の初歩的なデジタルカメラを使用している。それが数千ドルのコスト削減につながる可能性はあるが、ウェイモはより堅牢なビジョンシステム(※)こそが乗客の安全を守ると信じている。そして、実際にウェイモの車両はすでに路上で乗客を運んでいる。
ウェイモのLiDARやセンサー、カメラ、コンピューティング機器はすべて社内で設計されており、製造はアルファベットのグローバルネットワークで行われている。また、ウェイモがコスト削減の一環として今年後半から導入予定の第6世代のハードウェアは、現行モデルより大幅に低コストになると同社は以前から述べていた(ただし、これはトランプ政権による関税の発表前の話ではあった)。
ウェイモは現在、ジャガーの車両に自社のテクノロジーを最も効率的な形で搭載し、各都市にトラックで輸送している。ただし、すべての車両がトラックで運ばれるわけではない。フェニックスに配備される車両は、自ら自動運転で工場を出発して空港などに向かい、乗客の送迎を始めている。
「工場を出た車両がサービスゾーンに入るまでは、20〜30分程度だ。そしてゾーンに入った瞬間から、もうすでに乗客を拾っている」と、ウェイモの製造責任者のユウは語った。
※ 車両に搭載したセンサーやカメラで、周囲の環境を視覚的に認識・理解するシステム


