モビリティ

2025.05.11 12:00

米ウェイモ「ロボタクシー工場」を現地取材! 1.6兆円自動運転ビジネスの心臓部に迫った

アリゾナ州メサにある工場の駐車場で出荷を待つウェイモのロボタクシー車両(C)Waymo

「私たちは世界最高の自動運転テクノロジーの構築にフォーカスしており、それを今後も継続していく。この技術を高いレベルで実現することで、多様なビジネスモデルの選択肢が生まれる」と、アルファベットのスンダー・ピチャイCEOは4月24日の決算説明会で語った。

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ピチャイはまた、このテクノロジーを個人向け車両用にライセンス提供する可能性にも言及した。ウェイモは先日、トヨタ自動車と協業で自動運転車やトラック向けの新たなプラットフォームを設計し、自社の自動運転技術を個人向け車両に応用するための研究を開始すると発表した。

ロボタクシー製造工場内に広がる「特殊な光景」

メサの工場は、ジャガーI-PACEをオーストリアの工場で生産していたエンジニアリング企業のマグナと共同で運営されている。この工場は、ウェイモが2019年に同じくマグナとともにデトロイトに開設し、2024年末に閉鎖した小規模な組立工場の後継として設けられた。

工場の組み立てラインで、Jaguar I-PACE SUVにウェイモのコンピューターシステム、ライダー、レーダー、カメラを作業員が設置している様子(C)Waymo
工場の組立ラインで、ジャガーI-PACE SUVにウェイモのコンピューターシステム、LiDAR、センサー、カメラなどを作業員が設置している様子(C)Waymo

巨大な施設内には、一般的な組立工場で見られるコンベアは置かれておらず、ビニールカバーがかけられた組み立て前の車両のパーツが端のほうに置かれている。作業員はそれらを組立ラインに運んで、カバーやバンパーなどの外装部品を手作業で外し、カメラやLiDAR(レーザーレーダー)などの自動運転向けのユニットを丁寧に組み込んでいく。

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この工程が完了すると、バンパーなどの外装部品を再び装着し、ウェイモのバッジやステッカーが貼られる。最終工程では人工知能(AI)システムとセンサーの微調整を行い、テストコースで短距離の走行テストが実施される。そして、すべてのデータはカリフォルニア州マウンテンビューのサーバーにアップロードされ、正確性が確認される。

工場の敷地のすぐ外の高い壁に囲まれた人目につかない保管エリアには、2000台以上の白いI-PACEがアリゾナの強い日差しの下でロボタクシーへの改造を待っていた。ジャガーはこの7万2000ドル(約1000万円)の高級モデルの生産を昨年終了したが、ウェイモは数千台を購入済みだという。

ウェイモのロボタクシーには、間もなく2つのモデルが追加される。そのひとつは中国の吉利自動車が新たに立ち上げたEVブランド「Zeekr(ジーカー)」の小型バンで、すでにウェイモの装備が搭載され始めている。もうひとつは、現代自動車の電動ハッチバック「アイオニック5」で、ウェイモ向けの仕様車が年末までに納入される予定という。

この2車種は、ジャガーよりも大幅に安価になる見込みだが、トランプ政権の関税がZeekrの重しとなっている。ウェイモは、バイデン政権が導入した中国製EVへの関税を回避するために、車両を部品単位で輸入し、米国内で組立を行う計画だったようだ。しかし、トランプ政権が中国製品への関税を一律145%に引き上げたことで、たとえ部品で輸入した場合でもZeekrは非常に高コストな選択肢となる。

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編集=上田裕資

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