「立地は夫」、「設備は妻」が主導しやすい
「立地選び」においては、夫の意見が23.8%、妻の意見が10.7%、話し合い42.0%という結果となり、夫の意向がやや強い傾向が見られた。「駅近 vs 郊外スーパー近く」「学区 vs 地盤の安全性」など、夫婦で重視するポイントの違いも見えてくる。

一方で「設備選び」に関しては、妻の意見が23.8%、夫の意見は14.6%にとどまり、キッチン、壁紙、フローリング素材など、生活に密接に関わる部分では妻のこだわりが反映されやすいようだ。夫婦間での「家づくり」というプロジェクトが「理性」と「感性」、「投資」と「暮らしやすさ」のせめぎ合いの中で決定されていくという構図が見えてくる。

注文住宅の購入後に後悔した点について聞いたところ、最も多いのが「間取りや部屋数」17%、次が「立地」12.4%という結果になった。ただし「その他」を選んだ人も14.4%と多く、人によってさまざまな後悔のポイントがあるようだ。
◾️夫に聞いた後悔のポイント
・子ども達の部屋の間取りと暖房設備と基礎問題をもう少し自分なりに勉強しておくべきでした。
・バブル経済で物価がかなり上がっていた。もっと早く買った方が安く買えた。
・当たりの悪さ。北東角地だが冬期の日当たりが悪い(特に1階)。
・間取りは妻の意見を優先し過ぎて、自分の居場所がなくなった
◾️妻に聞いた後悔のポイント
・プライベートを尊重して、音の対策をすればよかったと後悔しています。
・立地を優先して狭めの家にした結果、収納が少ないという問題が発生していること。狭過ぎてカーポートが付けられず、雪の対策が面倒なこと。
・子供たちが中学校から寮生活などで家をでたので、もう少し小さいサイズでもよかった。住宅ローンの借入金額も大きく毎月の負担があり今となっては正直しんどいと感じている。
家づくりは「意見のすり合わせ」の連続
家の購入というライフイベントは、夫婦にとって価値観や優先順位の違いがあらわになる場面でもある。予算や空間の設計だけでなく、立地や設備、将来の家族構成をめぐる視点の違いなど、すべてにおいて「正解」はひとつではない。自由設計だからこそ、夫婦の対話を重ねていくことが重要なのだだろう。


