暮らし

2025.05.13 09:15

夢の注文住宅、夫婦で対立するのは「空間と金額」

gettyimages/Andrii Yalanskyi

gettyimages/Andrii Yalanskyi

家づくりは「人生最大の買い物」と言われるが、その過程において夫婦で意見が衝突することもある。不動産情報メディア「イエコン」を運営する株式会社クランピーリアルエステートが、注文住宅を購入した既婚者336人を対象に「家を買うときに起こる夫婦間の衝突」についてのアンケート調査を実施。調査の結果、お互いが理想とする空間や価値観のズレが衝突の原因となっていることがわかった。


【調査概要】
■調査名:注文住宅購入の意思決定についてのアンケート
■調査対象:注文住宅を購入した経験のある男女
■調査方法:選択式・記述式のWEBアンケー
■有効回答人数:336名
■調査期間:2025年1月8日~2025年1月22日

出資と意思決定は「夫」が主導

調査では、購入資金を「出したかどうか」、また「意思決定を誰が行ったか」について尋ねた。その結果、94.0%の夫が「出資した」と回答しており、夫の負担割合が大きいことが明らかになった。一方、妻の出資は31.3%だった。

◾️住宅購入時の出資割合
・夫が100%出資:27.2%
・夫が5割以上出資:91.1%
・夫婦で折半:16.0%
・親が出資:21.3%


また、家を決定する最終判断を行ったのは「夫」が66.0%で最多。妻が最終決定したとする回答は32.0%であり、家の購入における主導権は夫にあるケースが多いようだ。資金を出す方が意思決定権が強いことが見てとれる。

衝突の原因は「空間」と「お金」

家購入時に「夫婦で意見が対立した」と答えたのは男性で35.2%、女性で27.6%。原因の最多は「間取りや部屋数」で、次点は「予算や価格」だった。

◾️夫の自由回答より抜粋
・私はなるべくローンの負担を抑えたかったが、妻は「今後二度と買えないから」とフルスペックを望んだ。
・安い家を望んだが、妻はセキュリティ重視の家を選んだ。

◾️妻の自由回答より抜粋
・浴室乾燥機・浴室暖房が欲しかったが、夫が不要と主張したため諦めた。
・子ども1人につき1部屋を用意したかったが、夫は自分の部屋と子ども部屋がひとつずつあればいいと考えていて、間取りで意見が分かれた。

リビングの広さ、子ども部屋の数、個人スペースの確保といった空間に関する考え方に加え、住宅設備や仕様の選定でも意見が割れやすい。夫は「費用対効果」や「自身の空間の確保」を重視する傾向があり、妻は「品質」「快適さ」や「間取り(こども部屋の確保)」など日常的な使いやすさと子どもを中心に考える傾向がある。

また、意見の対立があった際の着地点としては、「折衷案を採用」が46%と最多で、夫案・妻案のいずれか一方に偏るケースは少数派であった。

次ページ > 立地は夫、設備は妻に主導権あり

文=福島はるみ

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事