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2025.05.10 15:00

なぜ「不要な物」を買ってしまうのか? 脳科学に基づきマーケターが仕掛ける7つの罠

Shutterstock.com

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「必需品」を買いに行き、帰宅した後、必要のないものに決して少なくはない金額を支払ってしまったことに気づいた、という経験はないだろうか。例えば、自動かくはん式のマグカップに3種類の香り付きキャンドル、そしておそらく使うことはないフェイスマスク4枚入りセットなどだ。買う物は人によって違うだろうが、こうした経験は珍しいものではないだろう。

しかし、これは純粋に心理的な作用からくるものだ。マーケティングには、脳科学の知見を活用して消費者の心理や行動原理を分析し、マーケティングに生かしていく「ニューロマーケティング」と呼ばれる手法がある。マーケターや小売業者は、このずる賢い科学を活用し、人々の日々の購買決定に影響を及ぼしている。そしてたいてい、こうした戦術はあなたの判断を覆すようになっている。目的は常に、5分前には欲しくもなかったものに対して「必要」だと感じさせることだ。

本項では、毎日、消費者に用いられ、その手を財布へと伸ばさせる、最も一般的なニューロマーケティングの7つのからくりを紹介する。

1. フレーミング効果

商品の中身は変わらないのに、表現方法によってその商品に対する認識が完全に変わってしまうことがある。専門誌『Quarterly Journal of Experimental Psychology(クォータリー・ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・サイコロジー)』に掲載された研究によると、これは「フレーミング効果」と呼ばれるものだ。簡単に言うと、私たちの選択は商品(またはその代替品)の紹介文句の影響を非常に受けやすい。そのためマーケターは、しばしばフレーミング効果を利用する。

例えば、あなたは「99%無脂肪」と書かれたヨーグルトと「脂肪分1%」と書かれたヨーグルトのどちらを買うだろうか。まったく同じことを意味しているにもかかわらず、ほとんどの人は前者を選ぶ。

これは私たちの脳が、ポジティブな言い回しの情報を好ましいととらえるように訓練されているからだ。マーケターはこのバイアスを大いに利用して、商品を実際よりも健康的で安全、あるいは優れているように見せている。だが実のところは、あなたが選んだ商品が必ずしも他の商品より優れているとは限らない。優れているように思えるだけだ。

2. お手頃という幻想

おそらく最も古典的で狡猾な戦術のひとつは、大きな数字をより小さく、消化しやすいものに分割することだ。マーケターは、サービスの費用について年間365ドルと言うのではなく、「1日たったの1ドル」と謳うだろう。法外だと思えた値段も突然、それほど高いものには聞こえなくなる。

だが私たちは、総額が実際には変わっていないことに気づかないことが多い。価格の分割は、商品やサービスを実際よりもお得に感じさせる役割を果たす。

多くの場合、あなたはその商品をまったく必要としていないかもしれない。そして、実際にはその商品を買う余裕がないかもしれない。いずれにせよ、大した額ではないと思えるように価格が最小化されていると、リーズナブルな価格だと騙される可能性が高くなる。

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翻訳=溝口慈子

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