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2025.05.10 09:15

令和キッズの夢の多様化が止まらない 親世代とのギャップも

Shutterstock.com

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将来に対する不確実性が増している現在の日本。このような時代の中で、次世代を担う子どもたちはどのような職業に憧れ、親はどのような将来を願うのだろうか。

クラレは、2025年4月に小学校に入学する子どもとその親を対象に「将来就きたい職業」「就かせたい職業」の調査を実施した。

男女とも人気の職業は定番、YouTuberもランクイン

男の子は警察官がスポーツ選手を抜いて2年ぶりに1位に。20年前はスポーツ選手の一強だったが、近年は消防・レスキュー隊も加わり三強となっている。

スポーツ選手の内訳はサッカーが46.4%、野球が25.3%であり、野球は2011年以降の15年間で最も高いポイントとなった。またYouTuberは過去最高に並ぶ5位となり、2020年以降10位以内をキープし、男の子の憧れの職業として定着したようだ。

男の子が「将来就きたい職業」トップ20
男の子が「将来就きたい職業」トップ20

女の子はケーキ屋・パン屋が調査開始以来27年連続で1位。また警察官は5位で、2015年以来11年連続で10位以内に入り、男女を問わず人気の職業となっている。アイスクリーム屋は3年連続で順位を上げて4位となり、人気職業として定着したようだ。YouTuberも女の子の間で人気が上昇しており、今年は13位と順位・ポイントともに過去最高となった。

小学1年生の夢は、身近な職業への憧れに加え、YouTuberのような新しい職業が定着し、多様化が進んでいるようだ。

女の子が「将来就きたい職業」トップ20、2025年版
女の子が「将来就きたい職業」トップ20、2025年版

親はいつでも安定志向

同調査では、親が子どもに「就かせたい職業」も調査している。男の子の親では公務員が群を抜いて1位となり、不動の人気を示した。会社員は5年連続で2位となり、20年前と比べて倍近くに増えている。

女の子の親では、1998年から27年連続でトップを守ってきた看護師が2位に落ち、公務員が初の1位に。看護師は依然として根強い人気があるが、10年・20年前と比べるとポイントは減少傾向にあり、世の中の役に立つ大切な仕事とわかっていても、我が子に苦労はさせたくないという親心がうかがえる。

女子小学生は高学年になると「発信」や「表現」に興味

一方、小学館が発行する『ちゃお』読者を中心にした高学年の女子小学生を対象にした「夢」に関する調査からは、また異なる傾向が見て取れる。

『ちゃお』読者の高学年女子小学生が「将来なりたい職業」、2025年
『ちゃお』読者の高学年女子小学生が「将来なりたい職業」、2025年

この調査では、『ちゃお』読者への調査ということもあってか「将来なりたい職業」の4年連続で漫画家が1位に。トップ5には、3位にはYouTuber、6位アイドル、10位俳優などがランクイン。「自分の思いや考えを発信したり、具現化したりする仕事が人気」の傾向が見られた。また、過去の調査では学校の先生や医師、薬剤師、保育士など、生活に身近で資格が必要な職業も上位に挙がっていたが、最新の調査では「発信」や「表現」への関心が高まっているようだ。

さらに興味深いのは、「人生の先輩にしたい人」のランキングで、1位親、2位学校の先生といった身近な大人が上位を占める中で、4位に大人気インフルエンサーの「しなこ」さんがランクインしたことだ。SNSで活躍する人気者が、単なる憧れの対象だけでなく、人生のロールモデルとしても注目されているのは、現代の女子小学生ならではの傾向だろう。

『ちゃお』読者の高学年女子小学生が「人生の先輩にしたい人」、2025年
『ちゃお』読者の高学年女子小学生が「人生の先輩にしたい人」、2025年

時代とともに子どもたちの「将来の夢」は変化、多様化しているが、年齢によっても変わってきている。現在、特にYouTuberをはじめとした「自己表現や発信にまつわる職業」が人気となっている。

文=北村麻美

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