AIに奪われやすい仕事と奪われにくい仕事
AIによる影響は一様ではない。すぐさまなくなる仕事もあれば、AIの影響に耐えて長く残る仕事もある。データ入力やスケジュール調整、カスタマーサービスなどはすでに、チャットボットやプロセス自動化ロボットなどのAIツールに取って代わられている。
管理業務、バックオフィス
英シンクタンク、公共政策研究所(IPPR)が発表した2024年の研究によると、管理業務の60%は自動化できるという。ブラックロックのフィンクCEOは自社のバックオフィス業務について、AIで合理化してコストを削減していると述べている。反復的なデータ処理が必要な管理業務は、AIの精度と拡張性が向上すれば、近いうちにとってAIに代わられるだろう。
経理業務、財務モデリング、基本的なデータ分析
経理業務、財務モデリング、基本的なデータ分析も、AIの影響を非常に受けやすい。金融機関向け情報提供システム「Bloomberg Terminal(ブルームバーグ・ターミナル)」をはじめとするAIプラットフォームでは、拡張機能を使えば、人間より速く計算し、リポートを作成できる。JPモルガン・チェースのダイモン会長は、自行では定型業務の自動化を進めており、2030年までに分析業務の20%が自動化される可能性があると述べている。
パラリーガル、契約書の原案作成、法律調査
パラリーガル(弁護士をサポートする専門職)、契約書の原案作成、法律調査は、AIの主だったターゲットだ。法務アシスタントAIツールの「Harvey」(ハーベイ)や「CoCounsel」(コカウンセル)は、文書解析を90%の精度で自動化できることが、2025年に発表されたスタンフォード大学の研究で明らかになっている。
膨大なデータセットを解析できるAIは、研究職やコンサルティング業界で大量の調査を行う仕事に脅威を与えていると、ダリオは指摘する。しかし、法的戦略の立案や、法廷での弁護といったシニアレベルの仕事は、生身の人間の判断力が必要であることから、AIに負けることなく、長く残り続けるだろう。


