北米

2025.05.11 11:00

イーロン・マスクの重力圏から逃れられない弟キンバル、静かなるもう一人の億万長者の人生

キンバル・マスク(Photo by Michael Loccisano/Getty Images)

苦境の兄を支えた弟

当時はイーロンの複数の事業が資金難に陥っており、特にテスラは経営危機に直面していた。2008年初頭、イーロンは苦境にあえぐテスラを支えるために、キンバルに手元の資金を投入してほしいと頼んだ。2004年からテスラの取締役を務めていたキンバルは、それに応える形で37万5000ドル(約5400万円)相当のアップル株を売却し、兄の会社に投資したとアイザックソンの伝記は記している。


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しかし、そのような時期にもキンバルは料理への愛を失わず、レストランThe Kitchenの経営を続けてきた。2010年、彼はその非営利部門を設立し、子どもたちに栄養のある食事を提供する活動を開始した。The Kitchenは2012年にコロラド州デンバーに2号店を、2014年にはシカゴに3号店を開店。昨年11月にはオースティンにも進出した。

2020年から今年初めまでThe Kitchenのゼネラルマネージャーを務めたチャピン・レッベは、「キンバルとの仕事は素晴らしかった。すごく多くを学んだ。彼は熱心に事業に関わっていたし、私とは毎週やり取りしていた」と語った。

フォーブスの取材に応じた関係者たち(ここには彼の経営手腕に疑問を呈する人物も含まれる)は皆、「キンバルはいいやつだ。みんなから好かれている」と口をそろえて語った。

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ただし、OneRiotの元社員は「キンバルはイーロンに決して逆らわない。プライベートでもそうだ」と述べている。「対立が起こったとしても、キンバルが正義の味方として立ち上がることはない。彼はいつもスイスみたいな立場を取る。彼が出てきて事態を正すなんてことはなかった」とその人物は語り、最後にこう付け加えた。「そこが残念なんだ。彼には何かを変えられる力があるのに、ただそこに座っているだけなんだから」

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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