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2025.05.08 12:30

アマゾンのロボタクシー「Zoox」、事故発生を受けて270台をリコール

カリフォルニア州フォスターシティにあるアマゾン本社付近でテスト走行をしているZooxのロボタクシー(Photo by Tayfun Coskun/Anadolu via Getty Images)

カリフォルニア州フォスターシティにあるアマゾン本社付近でテスト走行をしているZooxのロボタクシー(Photo by Tayfun Coskun/Anadolu via Getty Images)

アマゾン傘下のロボタクシー企業Zoox(ズークス)は米国時間2025年5月6日、4月に発生した1台の車両の事故を受けて、270台に対するソフトウェアリコールを実施したと発表した。この動きは、発展途上にあるロボタクシー業界における最新のトラブルのひとつとなった。

ズークスは6日の声明の中で、今回のリコールは自主的なもので、先月ラスベガスで発生した、同社の無人ロボタクシーが乗用車と衝突した事故を受けて行ったリコールの一環として、ソフトウェアの更新を完了したと述べている。この事故による負傷者はおらず、両車両に軽微な損傷が生じたのみだという。

複数の報道によれば、今回のリコールはズークスの270台の自動運転車両を対象としており、事故後に完全に停止されていたオペレーションは、すでに再開されている。

米道路交通安全局(NHTSA)への届け出によれば、今回のソフトウェアの更新は運転システムの欠陥に対処するもので、ほかの車両の動きの予測が不正確なため「衝突のリスクを高める」可能性があった。

ズークスが直面している課題

アマゾンが2020年に約12億ドル(約1700億円)で買収したズークスは、サンフランシスコとラスベガスでテスト運行を実施中だが、度重なる不具合や事故を発生させている。同社は、2025年3月にも予期せぬブレーキ動作を引き起こすソフトウェアの問題により、258台の車両をリコールした。

ズークスはまた、2024年5月頃にも同社の自動運転システムを取り付けたトヨタの「ハイランダー」2台が予期せぬ急ブレーキをかけた結果、二輪車と衝突する事故を発生させて、NHTSAの調査を受けていた。

カリフォルニア州自動車局(DMV)によれば、ズークスは2024年に25件の衝突報告を出しており、2025年はこれまでに14件を報告している。DMVは、自動運転車を開発するメーカーが、物損事故や人身事故、死亡事故を発生させた場合に、10日以内の報告を義務づけている。

ズークスは、2024年マイアミとテキサス州オースティンで公道テストを行ったのに続いて、ロサンゼルスでもテスト運行を開始しようとしている。同社はまだ一般向けの乗車サービスを提供しておらず、2023年からサンフランシスコとラスベガスでテストを行っている。

ズークスは、早ければ2025年の後半にラスベガスで最初の一般向け有料サービスを開始する見通しで、サンフランシスコもそれに続く予定だとCNBCは報じている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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