北米

2025.05.09 14:15

全米で広がる「ダフ屋ビジネス」はレストラン予約の敵か味方か?

Rachel Hoyt / Shutterstock.com

「客が入ればいいじゃないか」という声も聞こえてきそうだが、老舗の高級店はドレスコードの通知や予約確認など、顧客と直接コミュニケーションを取ることを前提に商売をしている。そのため、店からの連絡メールは転売者に届き、実際の客には届かないことでトラブルが発生していると訴える。

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こうなってくると、グルメの味方だったニューヨーク・タイムズが熱心に報道したこの新しいITビジネスは、ニューヨークやラスベガスでは眉をひそめられる存在になりつつある。

実際、ニューヨークはついに昨年末、州のレストランへの明示的な許可なしに第三者が予約を転売することを禁じる最初の州となった。そして、ネバダ州もこれに続く可能性がある。

しかし、eBayやYahooオークションなどのプラットフォーム上でスポーツ観戦チケットをはじめとする商品の転売が一般化している米国の消費社会において、転売を全面的に禁止するのは簡単ではない。資本主義の進化した形態であるこのシステムを規制しようとすることには賛否両論もある。

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また、事前キャンセルの問題については、プラットフォームの介在の有無との相関性は認められないとアポイントメント・トレーダー側は主張している。さらに、先述の50件予約のような無謀な行為ができないようなシステムガードも導入され、調整を図っているのも事実だ。

さらに、本当の富裕層は自らの人脈を使って予約を取るため、予約システムそのものが不要であるのに対し、庶民は相変わらずシステム上で苦労しながら予約をしなければならない。

こういった事情をも考えると、レストラン文化の真の格差解消のためにも、またレストラン業界の成長のためにも、アポイントメント・トレーダーはむしろ庶民の味方であるという主張には、自由経済を前提としたときに一定の説得力もあるのだが。

連載:ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信
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文=長野慶太

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