米マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツらによって立ち上げられたビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下、ゲイツ財団)は、東南アジアの政府や慈善団体、医療研究機関との連携を深めるため、シンガポールに事務所を開設する計画だ。
「ゲイツ財団は、科学へのアクセスと慈善コミュニティとの連携を目的に、ここに拠点を設置しようとしている」とゲイツは、5月5日にシンガポールで開催されたフィランソロピー・アジア・サミットで語った。
ゲイツはまた、シンガポールのローレンス・ウォン首相とも会談した。同首相は「私たちはクリーンエネルギーからワクチン開発に至るまで、今後の課題について幅広く意見を交わした」とフェイスブックに投稿し、「シンガポールは、イノベーションの推進とアジアを含む世界中の人々の暮らしの向上に向けて、ゲイツ財団と緊密に協力していく」と述べた。
ゲイツ財団の発表によると、同財団の新たな事務所はシンガポールの経済開発庁(EDB)の支援を受けて開設され、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みを加速させるという。「シンガポールの戦略的な立地と研究エコシステムは、世界にインパクトをもたらすヘルスケアやフィンテック、AI分野のイノベーションを推進する強力な基盤となる」と、EDBのマネージングディレクターであるジャーメイン・ロイは声明で述べている。
2000年にゲイツと当時の妻、メリンダ・フレンチ・ゲイツによって設立されたゲイツ財団は、世界の人々のヘルスケアや教育へのアクセスを向上させ、包括的な経済成長につなげることを目的としている。
「ゲイツ財団が設立25周年を迎える中で、シンガポールを拠点に東南アジアでのプレゼンスを強化できることを嬉しく思う」と、ゲイツ財団の南アジア・東南アジア地域ディレクターのハリ・メノンは声明で述べた。「シンガポールはイノベーションと慈善活動におけるリーダーシップを有し、この国と世界の人々の生活を改善するソリューションを広げていくための理想的なハブになっている」と彼は続けた。