米アルファベット傘下のグーグルは、AI(人工知能)向けデータセンターの一大拠点として急速に台頭しているマレーシアへの投資を、さらに強化する。
グーグルは昨年5月、同社としては初となるマレーシアでのデータセンターとクラウド拠点の開発に20億ドル(約2860億円)を投じると発表したが、それに続き、同国の建設会社ガムダに2件目の契約を付与した。契約額は10億リンギット(約340億円)とされている。
クアラルンプールを拠点とするガムダの子会社「ガムダDCインフラストラクチャー」は5月5日、グーグルの現地法人パール・コンピューティング・マレーシアとの間で、クアラルンプールから南約90キロに位置するポートディクソンにハイパースケール・データセンターを建設するための契約を結んだと発表した。
この契約の一環として、ガムダDCはデータセンターの冷却に必要な1日6500万リットルの水を供給するための水処理プラントも建設する。ガムダDCはまた、データセンター用地として約157万平方メートルの土地をパール・コンピューティングに4億5500万リンギット(約150億円)で売却することにも合意した。
グーグルはこれに先立ち昨年5月にも、クアラルンプールの北西に位置するセランゴール州エルミナ・ビジネスパークにあるパール・コンピューティングのデータセンターでの工事に向け、ガムダと17億リンギット(約570億円)の契約を締結していた。
マレーシアには、他にもマイクロソフトやオラクルなどの世界的なハイテク大手が資金を投入しており、これまでの総額は230億ドル(約3兆3000億円)を超えている。
ガムダはマレーシアを代表するインフラ・不動産企業のひとつで、1976年に著名実業家のリン・ユンリンらによって設立された。同社はオーストラリアやシンガポール、台湾、イギリス、ベトナムなどでも事業を展開している。