もし、スキルアップのために割ける時間が1日30分しかないなら、あなたはどのスキルを選ぶだろうか?
オンライン学習プラットフォーム「Coursera(コーセラ)」が発表した『2025 Micro-Credentials Impact Global Report』によると、ビジネスコミュニケーションスキルは米国において「企業が採用候補者に求める日常的スキル」の第1位としてランクインしている。これはグローバルにつながる経済において、明確で効果的なコラボレーションがより重要になりつつあることを反映しているという。つまり、教育、テクノロジー、マーケティング、データ、リーダーシップ、マネジメントなど、どの分野に携わっているかに関わらず、あなたの成功はビジネスにおけるコミュニケーションスキルの強さと有効性にかかっていることを意味している。
コミュニケーションスキルが不可欠な理由
コミュニケーションは、たとえ同僚との交流が少ないリモートワークの仕事であっても、仕事のあらゆる側面に影響する。そもそも仕事を得るためには、自分を効果的にアピールし、採用担当者の信頼を勝ち取る必要がある。
また、ビジネスにおけるコミュニケーションスキルは、メールの書き方など、仕事における単純な側面にまで関わるものだ。あなたはメールを書く際、悪名高い「前回もお伝えしたように」という言葉のような、受動的で攻撃的な書き方をしていないだろうか? 相手と考えを共有する時には、オンライン、ハイブリット、もしくは対面ですべきかを考えているだろうか? LinkedInでのあなたのトーンや存在感はどうだろうか? LinkedInであなたは目立っているだろうか?
これらはすべて、上司、潜在的な雇用主、ビジネスパートナーに至るまで、他人のあなたに対する認識を形成し、あなたのキャリアアップや、ビジネスチャンスを獲得する可能性に直接影響する。
例えば、自分の考えを簡潔に伝えられなかった場合、誤解やプロジェクトの遅延、もしくは予算オーバーや関係者全員の不満を招くなど、プロジェクトの失敗につながる可能性がある。大きな契約を失うことさえある。コミュニケーションスキルが最も重要であることは容易に理解できるだろう。
それだけではない。私たちは生成AIがあらゆる仕事と業界を支配する時代に生きているのだ。IBMのバイスプレジデント、ジャスティナ・ニクソン・サインティルは、インタビューの中で「AIはあらゆる仕事や業界で使われるようになる」と語っている。
これは、特にリモートワーカーを中心に、多くの人がAIを使うことを意味する。本稿のテーマであるビジネスにおけるコミュニケーションに限らず、提案書やメールへの返信、さらにはマーケティングコピーの作成にもAIが用いられるようになる。そうした背景から、「人間の声」の重要性がさらに高まり、AIに依存するのではなく、AIとパートナーシップを組むために、私たちは実社会のコミュニケーションスキルを磨く必要があるのだ。



