2. 「批判の罠」
あなたを絶賛することをやめられない人がいる一方で、あなたが何を言おうと、何をしようと、決して期待に届かないかのように思い込ませ、あなたを萎縮させる人もいる。
絶え間ない批判は、たまに不満を口にしたり、建設的なフィードバックを与えたりするのとはわけが違う──あなたを軽視し、無視し、あなたの欠点にばかり注目するという、一貫したパターンのことだ。
大声での罵倒にせよ、遠回しのあてこすりにせよ、こうした指摘は、少しずつあなたの自信を削り取る。自分は、いつまでたっても不適切で「不十分」だ、という感覚をあなたに植え付ける。
建設的なフィードバックとは違って、無益な批判は、「あなたはいつも何かをやからす」とか、「あなたは、私のことなんてどうでもいいんでしょう」といった響きを持つ。全面的で、非難がましく、特定の行動ではなく人格的欠点に矛先が向きがちだ。
軽蔑の感情は、非言語的手がかりとして表れることもある。あきれたように目を上にやったり、聞こえよがしに溜息をついたり、皮肉を込めたりといったものだ。
時が経つにつれあなたは、相手の批判を避けるためだけに、自分の言動を自己検閲するようになるかもしれない。こうした兆候は、ひとつひとつは小さなことに思えても、あなたの感情的安全性を根底から揺るがしえる。
心理学者で、対人関係のエキスパートであるジョン・ゴットマン博士によれば、破局リスクのあるカップルはしばしば、批判や軽蔑といった対立行動を取りがちだ。こうした行動が与えるダメージは深刻で、博士はこれを、恋愛関係の終局を告げる「黙示録の四騎士」のひとりと呼ぶほどだ。
博士の説明によれば、懸念を伝えること自体は、思いやりと明確さをもって行われるかぎり、むしろ関係強化につながりえる。しかしこうした不満が、特定の行動についてのものから人格攻撃に移り変わると、状況は一変する。絶え間ない批判が始まってしまうのだ。
こうした行動は、批判の根底にある根深い問題に起因することがある。ナルシシスト傾向の人は、しばしば他者をおとしめて優越感を得る。逆に、自尊心が低い人が、批判を矢継ぎ早に投げつけ、一時的に自分の不安を覆い隠すこともある。
相手をコントロールするための戦術としてこうした行動を利用する人もいる。あなたのバランスを崩すことで、あなたの行動や感情を容易に操作できるようにするのだ。傷付く経験が積み重なるにつれ、あなたの自尊心は損なわれ、発言を自己検閲し、自分の一部を抑え込むようになりかねない。
こうした関係を脱するために、明確な境界線を引こう。相手の特定の言葉や行動が、あなたをどんな気分にしたかを伝えよう。それでも批判がやまなかったり、エスカレートしたりするなら、自分にこう問いかけるべきだ。「こうした関係は、自身がそうなりたいと思う自分にとって有益だろうか?」。
あなたにふさわしいのは、フィードバックが成長の機会になるような関係であって、絶え間ない中傷にさらされるような関係ではない。あなたの感情をこうした否定にさらす機会を減らし、必要なら距離を距離を取って、自尊心の回復に努めよう。


