北米

2025.05.02 15:00

ハリス前副大統領がトランプを痛烈批判、「米国の理念を放棄した」

1月の退任後、初めて公の場でスピーチを行ったカマラ・ハリス前副大統領。2025年4月30日(Justin Sullivan/Getty Images)

1月の退任後、初めて公の場でスピーチを行ったカマラ・ハリス前副大統領。2025年4月30日(Justin Sullivan/Getty Images)

米民主党のカマラ・ハリス前副大統領は4月30日、昨年の大統領選でトランプ大統領に敗れて以降で初めての主要な公の場での演説でトランプ大統領を厳しく批判した。彼女はトランプの「無謀な関税政策」が経済の混乱を引き起こしていると非難し、彼の行動が憲法の危機を招く可能性もあると警告した。

民主党の女性議員の出馬を支援する団体「Emerge(イマージ)」のサンフランシスコでのイベントに登壇したハリスは、発足から100日目を迎えたトランプ政権が、米国の最も崇高な理念の推進に取り組むのではなく、それらの理念の「全面的な放棄」を続けてきたと主張した。

彼女は、トランプが掲げるアジェンダについて、「真実を語る者を罰し、忠誠を誓う者を優遇し、権力を利用して私腹を肥やし、他のすべての人々を見捨てるような視野が狭く自己中心的なアメリカ像を描いている」と非難した。

ハリスはまたトランプ政権の大規模な関税を「無謀」と表現し、「私が予測していた通り、明らかに景気後退を招いている」と語った。

前副大統領の彼女は、これらの関税が「日用品の価格を引き上げることで労働者やその家族を苦しめ、退職後のための蓄えを破壊し、米国企業の活動を麻痺させ、結果的にレイオフを余儀なくさせる」と述べた。

ハリスはさらに、米国政府の抑制と均衡の制度が壊れ始めていると述べて、議会や裁判所がその役割を果たせなかったり、トランプがそれらを無視して行動すれば、「憲法の危機」に発展する恐れがあると語った。そうした危機は「最終的にはすべての人々に影響を及ぼす」と彼女は述べて、「私たちの基本的な権利と自由を守るルールが機能しなくなってしまう」と語った。

ハリスは、コリー・ブッカーやクリス・ヴァン・ホーレン、クリス・マーフィー、ジャスミン・クロケット、マクスウェル・フロスト、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)、バーニー・サンダースといった党内の幅広い層のリーダーらを称賛し、彼らが「それぞれ異なる形で明快さをもって発言してきた」と評価した。

彼女は党内の結束を呼びかけ、「恐怖を煽る者たちは、人々を分断して統治し、集団を引き離し、誰もが孤立していると思い込ませたときにこそ、最も力を発揮する」と警告した。

forbes.com 原文

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