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2025.05.02 12:00

アップル、決算発表後に株価下落 しかしiPhone売上高は2%増加

Khairil Azhar Junos / Shutterstock.com

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アップルが米東部時間5月1日に発表した2025年第1四半期(1-3月)決算は、米中間の貿易戦争が国境をまたぐ同社のビジネスに与える影響を垣間見せるものになった。

第1四半期の売上高は前年同期比5%増の954億ドル(約13兆9000億円)、純利益は5%増の248億ドル(約3兆6100億円)で、どちらも市場予想を小幅に上回った。1株利益は1.65ドルで、こちらもアナリスト予想を上回った。iPhoneの売上高は、前年同期比2%増の468億ドル(約6兆8100億円)で、予想の460億ドル(約6兆6900億円)を上回った。

しかし、大中華圏における売上高は160億ドル(約2兆3300億円)に減少し、予想の170億ドル(約2兆4700億円)を大きく下回った。また、App StoreやApple Musicを含むサービス部門の売上高は266億ドル(約3兆8700億円)で、予想の267億ドル(約3兆8800億円)にわずかに届かなかった。

アップルの株価は、時間外取引で約2%下落した。同社は四半期配当を1株あたり0.26ドルに引き上げ、取締役会は1000億ドル(約14兆5000億円)の自社株買いプログラムを承認した。

アナリストたちが指摘するように、今回の決算の対象期間には、トランプ大統領が予想を大きく上回る厳しい関税措置を国別に導入した一方で、最も過激な措置を踏みとどまった波乱となった4月の実績が含まれていない。アップルにとって重要なのは、トランプ政権が中国製スマートフォンへの関税を145%から20%に引き下げたことで、これにより同社が関税から被る利益への打撃は29%から5%に縮小したとUBSは試算している。

トランプは、スマートフォンやコンピューターなどの電子機器を関税の対象から除外した後に、「私はティム・クックと話をした。彼らのビジネス全体を助けたんだ」と述べて、自身とアップルのCEOとの関係に言及した。アップルはiPhoneの約90%を中国で組み立てており、前回の会計年度には全収益のうちの約17%を大中華圏から得ていた。

「アップルの決算報告は、政策という地雷原を進む作業になる」とローゼンブラットのバートン・クロケットは、決算発表前のノートで述べていた。

アップルと『Fortnite(フォートナイト)』の開発元エピック・ゲームズの法廷闘争で、連邦判事は30日にアップルが、iOSアプリ外で行われた購入に対する手数料の徴収を禁じた裁判所命令に故意に違反したと判断した。連邦地裁のイボンヌ・ゴンサレス・ロジャーズ判事はまた、アップルが2021年の命令に従わなかったことが法廷侮辱罪にあたるかどうかを調べるよう連邦地検に求めた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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