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2025.05.06 14:00

10人中9人が遭遇、離職率を高める職場での「えこひいき」

Meeko Media / Shutterstock

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職場にいる社員の大多数が無視されていると感じる一方で、ごく少数に特別待遇が与えられるような「えこひいき」のある状況では、チームメンバーの間に、怒りや不公平感、敵意が生じる。新たな調査によれば、職場でのえこひいきは広く蔓延しており、士気や離職率に悪影響を与える。士気の低さは、当然ながらエンゲージメントや生産性、企業の収益にも響く。

新たな調査からは、社員の10人に9人が、職場でのえこひいきを目撃した経験を持つことが明らかになった。また、こうしたえこひいきが、従来の仕事から副業へと社員を駆り立てる要因にもなっていることを明らかになった。

職場でのえこひいきは、士気の低下をもたらす

SideHustle.comは、米国の会社員1000人を対象に、職場でのえこひいきが、社員の満足度や離職率、チームの人間関係に与える広範な影響について調査した。主な結果は次の通りだ。

・社員の10人に9人が、職場でのえこひいきを目撃した経験があり、4人に1人は常態化していると答えた。

・社員の5人に2人は、えこひいきを理由に離職を考えたことがあり、10人に1人は今年中に離職する計画を立てている。

・社員の5人に1人は、従来の職場でのえこひいきを逃れるために、フリーランスの仕事を始めるか、自ら起業した。

・社員の約4分の3は、報復を恐れ、人事部にえこひいきについて報告することに抵抗を感じている。

・社員の72%は、えこひいきを目撃してからリーダーシップへの信頼が低下したと答え、68%はチームの士気が低下したと答えた。

・社員の75%は、えこひいきがゴシップや派閥形成を助長すると答えた。約半数は、えこひいきに対抗したいという理由だけで、上司に愛想よく接さざるを得ないと感じたことがあると認めた。

このほかにも、以下のような知見が得られた。

・世代別に見ると、えこひいきを目撃したと答えた割合が最も高かったのはミレニアル世代(31%)で、その後、X世代(29%)、ベビーブーマー世代(27%)、Z世代(22%)と続いた。

・オフィスワーカーは、リモートワーカーと比べて、えこひいきを目撃する確率が24%高かった(それぞれ31%、25%)。

・えこひいきによって誰が損をしているかの認識には、ジェンダーによる差が見られた。男性の33%は、えこひいきによって最も損失を被っているのは男性だと答えた。一方、女性の43%は、女性の方が損をしていると答えた。

・社員の60%は、えこひいきのせいで仕事への満足度が下がったと答えた。

・社員の約半数(49%)は、不平等な扱いのせいで仕事上の機会を阻まれたと感じると答え、46%は昇進が遅れたと思うと答えた。

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翻訳=的場知之/ガリレオ

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