経営・戦略

2025.05.01 11:30

米決算ウィーク始まる、マイクロソフトとメタは「増収増益」

mundissima / Shutterstock.com

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時価総額が1兆ドル(約143兆円)を超えるハイテク大手であるメタとマイクロソフトの2社が、米東部時間4月30日午後に決算発表を行った。トランプ政権の関税政策が投資家の心理を揺るがす中、テクノロジー大手の決算発表が相次ぐ1週間がスタートした。

マイクロソフトが発表した2025年第1四半期(1〜3月)決算は、売上高が前年同期比13%増の701億ドル(約10兆円)、純利益が18%増の258億ドル(約3兆6900億円)で、ともにアナリスト予想を上回った。1株利益は3ドル46セントで、こちらも市場予想を上回っている。

部門別ではAIサービスの基盤となるクラウド事業が特に好調で、Azureの売上高は33%増加。マイクロソフトの売上高と純利益は、ともに四半期として過去最高となった。決算発表を受けて、同社の株価は時間外で6%上昇し、約420ドルをつけた。

一方、メタが発表した2025年第1四半期決算は、売上高が前年同期比16%増の423億ドル(約6兆500億円)、純利益が35%増の166億ドル(約2兆3700億円)で、こちらもウォール街の予想を上回っている。1株利益は6.43ドルで、これも予想を上回った。

同社は、第2四半期の売上高がコンセンサス予想の413億ドル(約5兆9100億円)を大きく上回る425億ドル(約6兆800億円)から455億ドル(約6兆5100億円)の間になると見込んでいる。メタの株価も約5%上昇し、570ドル超で取引された。

マイクロソフトは米国で2番目に価値の高い企業で、時価総額は約2兆9000億ドル(約415兆円)となっている。メタの時価総額は約1兆4000億ドル(約200兆円)で、6位につけている。この2社は、グーグルの親会社アルファベットやアマゾン、アップル、エヌビディア、テスラとともに「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる巨大テック企業群の一角をなしている。

これら7社の時価総額の合計は、S&P500全体の時価総額の約3分の1を占めており、それぞれがAIブームに巨大な影響を与えている。マイクロソフトは、クラウド事業のAzureとChatGPTの親会社OpenAIへの出資を通じてAI分野で成果を上げている。一方、メタもChatGPTに対抗する単独のアプリ「Meta AI」を立ち上げたばかりだ。

マイクロソフトとメタの株価は、どちらも年初来でそれぞれ6%安と8%安に沈んでいる。とはいえ、中国市場への依存度がはるかに高いアマゾンやアップル、エヌビディアなどが年初来でいずれも12%以上の下落となっているのに比べると、この2社の株価は底堅い。

今週はハイテク大手の決算が相次ぐ週で、米国時間5月1日にはアマゾンとアップルの決算発表が予定されている。

「ここ数日は、株式市場とテクノロジー業界にとって極めて重要な時期となる」とウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブスは述べている。「貿易戦争はテック株にとって重要な変動要因になる」とアイブスは指摘し、「ここ数日の各社の決算発表を見れば、市場を覆う不透明感の中で企業と消費者の需要がどのように持ちこたえているかが把握できる」と語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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