経済・社会

2025.05.01 14:15

「ONE PIECE」と「くまモン」を起爆剤に仏ディジョンとの連携強化もくろむ熊本

仏ディジョン・熊本共同の観光PRイベントに登場した「くまモン」

仏ディジョン・熊本共同の観光PRイベントに登場した「くまモン」

フランス東部に位置するブルゴーニュ地方は、「世界最高峰のワイン」として名高い「ロマネ・コンティ」など同国有数の高級ワインの産地である。「ワインで潤っている地域」(フランスメディアのジャーナリスト)とのイメージが強い。

日本のホテルの著名なソムリエが「ブルゴーニュのワインは価格面で扱うのが難しい」などとぼやくほどだ。同地方のブドウ畑のクリマ(小さな栽培区画)はユネスコの世界遺産としても登録されている。

ブルゴーニュ地方の玄関口ともいうべき都市がディジョンだ。エッフェル塔の設計者、ギュスターヴ・エッフェルの出身地としても知られている。超高速鉄道のTGVを利用すると、パリから約1時間40分の距離だ。同市を中心に23の自治体で構成されるディジョンメトロポールには26万人余りが住む。

ディジョンメトロポールと友好を深めている自治体が日本にある。熊本県だ。両者は2023年10月に国際交流促進覚書を締結。食の分野を中心に交流を行う。

その結びつきは、民間レベルの連携が端緒になった。フランスの農産物加工業のクラスターでディジョンに拠点を置く「VITAGORA(ヴィタゴラ)」と「九州地域バイオクラスター推進協議会」が2010年にパートナーシップ協定を締結したことにさかのぼる。「クラスター」とは、特定の産業や関連企業、研究機関などを集めることで地域経済の活性化を図る手法で、「ブドウの房」を意味する言葉だ。

フランスには、現在、農産物加工業以外にも航空宇宙、医療、食品、デジタルなど計55のクラスターが存在する。ディジョンには農産物加工の工業施設が1000カ所あり、1万8000人の雇用を生み出しているという。

ディジョンは「美食の都」

4月にはディジョンメトロポールのミッションが来日し、東京だけでなく、横浜、大阪の万博会場、熊本などを相次いで訪問。東京のイベントでは熊本県のキャラクター「くまモン」が登場し、観光PRにひと役買った。

熊本県の竹内信義副知事(左)と「くまモン」
熊本県の竹内信義副知事(左)と「くまモン」

ディジョンメトロポールの中心都市であるディジョンは「美食の都」。市内には数多くのレストランが軒を連ね、そのうち5軒がミシュランの星付きだ。

ディジョンでは2022年にこの街のフラッグシップともいうべき巨大な複合施設が始動した。「シテ・アンテルナショナル・ドゥ・ラ・ガストロノミー・エ・デュ・ヴァン(国際ガストロノミー&ワイン都市)」だ。

同施設には、6000平方メートル超の敷地にレストラン、チーズ、チョコレート、ワインなどの専門店や料理学校などが設置されている。常設のキッチンではシェフの料理対決が繰り広げられるなど、さながらディジョンの食文化のテーマパークとなっている。

次ページ > 2023年にはディジョン市で日本の文化を紹介する「ジャパンウィーク」を開催

文・写真=松崎泰弘

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