作品探しも楽しみの一つ
デザートXで体験できること、そしてその楽しみのひとつは、作品を探しながらのドライブだ。砂漠の山岳地帯に続く道や、古いデザート・ホット・スプリングスの街並み、多くの人たちにとって見たこともないようなものだろう渓谷の景色など見て回ることができる。
以下、今回のデザートXで展示されている作品の一部を紹介する。
・サンフォード・ビガーズ/「Unsui (Mirror)」:パームスプリングスの空に、奇妙な「雲」が出現した。
・ホセ・ダビラ/「The act of being together」:ローマの遺跡を巡っているような錯覚に陥る、不思議な大理石のブロックが並ぶ。
・ラファエル・ヘフティ/「Five things you can’t wear on TV」:渓谷に水平に張られた長いベルト状の素材が風によってねじられ、光を反射する部分が変化し続けるシンプルかつエレガントな作品。
・ロナルド・ラエル/「Adobe Oasis」:太陽電池式のロボットが3Dプリントで造る干しレンガの迷路。先住民族が受け継いできた知識と現在のテクノロジーの融合を、安価であると同時に環境に優しい方法で表現している。
・チャヌーパ・ハンスカ・ルガー/「G.H.O.S.T. Ride/(Generative Habitation Operating System Technology)」:まるで世界滅亡後の未来の物語の一部を見せるかのように、砂漠を移動するための移動手段であり、移動式住宅である車を制作した。この車はコーチェラ・バレーの3カ所で展示される予定となっている。
そのほかには、キムスージャ、ムハンナド・ショノ、カプワニ・キワンガの作品も展示されている。
デザートXが促す体験と思案
パームスプリングスからコーチェラ・バレーまでのその他の地域にも足を運ぶべき理由は、常にいくつもある。だが、デザートXはこの地域の景観を異なる形で体験するとともに、土地だけでなくそこに暮らす人々、そしてアーティストたちを支援するまたとない機会にもなっている。
イベントのスポンサーになったり、寄付をしたり、支援の方法はいくつある。もちろん、クールなTシャツやパーカー、ステッカーなど、グッズも販売されている。
アートが「見る」ものだとするなら、このイベントが私たちに促すのは、新たなものの見方とともに、砂漠やその過去と未来、風と大地、地域に固有の植物、私たち自身、そして世界について、考えることだろう。


