モビリティ

2025.04.30 16:00

米ウェイモとトヨタが「自動運転車」で協業、次世代プラットフォーム開発へ

WAYMO|ricochet64 / Shutterstock.com

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自動運転タクシー(ロボタクシー)の運営で業界をリードする米Waymo(ウェイモ)が、トヨタ自動車との協業で自動運転車やトラック向けの新たなプラットフォームを設計し、自社の自動運転技術を個人向け車両に応用すると発表した。この発表は、同社の親会社であるアルファベットのCEOがウェイモのシステムを個人向けに活用する可能性に言及した直後に行われた。

世界最大の自動車メーカーであるトヨタの中嶋裕樹副社長は、米東部時間4月29日付けのウェイモとの共同声明で「当社は、安全性の向上に向けた自動運転技術の推進において、ウェイモと強い目的意識とビジョンを共有している。この協業は、私たちのソリューションを世界中のより多くの人々に届け、事故のない社会の実現に一歩近づくものだと確信している」と語った。

トヨタは、長年にわたり社内で自動運転車の開発を進めており、トヨタおよびレクサスの各車種に先進運転支援機能の導入を広げているものの、自社のロボタクシーサービスに関する計画を公表していない。ウェイモは、韓国の現代自動車とも提携しており、2025年後半には同社から電動ハッチバック「IONIQ 5(アイオニック5)」の供給を受けて急成長中のロボタクシー車両に投入する予定だ。

アルファベットのスンダー・ピチャイCEOは、先日の四半期決算説明会でウェイモの長期的ビジョンについて質問された際に、「将来的な選択肢に、個人所有の車両向けの取り組みが含まれる可能性がある」と、詳細には触れずに述べていた。この計画は、ウェイモの元CEOジョン・クラフチックが2018年に初めて語った内容と重なるが、同社はそれ以降にこの件にあまり触れてこなかった。

ウェイモは現在、フェニックスやサンフランシスコ、シリコンバレー、ロサンゼルス、オースティンなどの都市で週に25万件を超える有料ロボタクシーサービスを実施しており、アトランタやマイアミ、ワシントンD.C.への展開を準備中だ。また、ナッシュビルと東京ではジャガーの電動SUV車両「I-PACE」を用いたロボタクシーのテストを行っている。

ウェイモがトヨタと共同で自動運転車のプラットフォームを開発し、それを両社が共有することは、ロボタクシーのコスト削減につながり、収益性の向上に寄与する可能性がある。ウェイモの個人車両向けの自動運転システムは、サブスクリプション型で提供されるとみられている。これにより、ウェイモは新たな収益源を持つことが期待される。

両社は、今回の協業の範囲について「継続的な議論を行っていく」としており、パートナーシップに関する財務情報を明らかにしていない。ウェイモの広報担当者も、財務面の質問にすぐには回答しなかった。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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