「顧客へのこだわり」のスキルを高める方法
採用面接に向けて準備している人も、キャリア形成を考えている人も、「顧客へのこだわり」のスキルを高めることで、他と差をつけることが可能だ。
1. マインドセットを変える
面接やキャリアを成功させるため、考え方を次のようにシフトさせよう。
・「我々が何をするか」から、「顧客が何を求めているか」へ
・「自分たちのプロセス」から、「顧客のプロセス」へ
・「1つのステージ」から、「顧客ライフサイクルの全体」へ
最も成功を収めるプロフェッショナルは、顧客自身すら気付いていなかったニーズを掘り起こし、価値を生み出すチャンスを積極的に見つけにいく。
2. 顧客を深く理解する
「顧客を深く理解する」とは、取引関係を超えて、顧客を、「購買者」にとどまらない「1人の人間」として見ることだ。顧客のおかれた状況の全体像を考えて、文脈、動機、ニーズを把握する。購買履歴やウェブサイトでの行動といった定量データに加え、フィードバックや聞き取りなどで定性データも収集する。
顧客とブランドの接点にとどまらず、顧客の人生全体において何が重要なのかを理解することに時間をかける。購買行動に収まりきらない顧客の全体像を把握することで、有意義な関係を築くことができる。
3. 顧客との共通点を探る
顧客にこだわるブランドは、顧客の優先事項と、自社が提供する価値との共通点を見つけ出して、関係を深めていく。ブランドの価値観と顧客の価値観が自然に重なり合うポイントを見つけ出し、その共通点に基づいて製品を開発し、体験を構築する。こうした調整によって、単なる取引を超えた、意味深い関係性が生まれる。
4. 体験だけでなく、価値を生み出す
真の「顧客へのこだわり」は、顧客が得るものを最大化しながら、顧客が失うものを最小化する。本当の問題を解消すること、表明されていないニーズを察知すること、顧客自身がまだ気付いていないニーズに答えを出すことに力を注ぐ。
面接では、自分が顧客にとっての問題点を見つけ出し、顧客のために「価値を生み出す方程式」を変えた事例を示すようにする。
5. データドリブンと共感のバランス
厳密な分析と人間的な共感をバランスさせる。「顧客へのこだわり」に必要なのは、顧客が求めているものを理解した上で、顧客が本当に大切にしている物事に共感することだ。顧客データを駆使してパターンや機会を見つけ出す一方で、数字を超えた人間としてのつながりを大切にする。
顧客に焦点を合わせた取り組みの成果を測定するシステムを導入すると同時に、そうしたデータを、個人的なレベルで共鳴するような意味深い行動に変える鍵は共感力にあることを忘れてはならない。


