「顧客へのこだわり」をアマゾンが重視する理由
アマゾンは、顧客へのこだわりを重視することで目覚ましい成果を上げてきた企業だ。フォレスター・リサーチによると、顧客にこだわるアプローチを採用している企業の財務報告は、次のような特徴がある。
・売上成長が通常の2倍
・収益性の成長が通常の2倍
・顧客維持率が通常の2倍
アマゾンはこのアプローチによって、小さなオンライン書店から、世界屈指の時価総額を誇る企業にまで成長した。顧客との長期的な関係のためには、短期的な損失もいとわない。一見、関係のないビジネス分野に進出することがあるが、必ず顧客のニーズがきっかけになっている。
こうした哲学はアマゾンの中核に存在し、ベゾス会長は、「我々がこだわるのは競合ではなく、顧客だ」と繰り返し強調している。こうした根本的な卓越性は、アマゾンの事業のあらゆる側面に働いている。
アマゾンは採用面接で、「顧客へのこだわり」をどう評価するのか
採用面接で、アマゾンの担当者は次の点を評価してくる。
・顧客ニーズを深く理解しているか
・顧客への影響を基準に意思決定しているか
・基本にとどまらない顧客サービスを提供できるか
・データとフィードバックを活用して、顧客体験を改善できるか
・顧客のニーズとビジネス要件のバランスを取れるか
アマゾンの面接を受ける際には、顧客を中心に据えた意思決定スキルを評価する質問があると考えておこう。
こうした質問の一般例を挙げる。
・「これまでに、難しいお客様に対応した時のことを教えてください。何をしましたか? どう応対しましたか? 結果はどうでしたか?」
・「お客様からのフィードバックを受けて、働き方を変えた経験を教えてください。そのようにしたのはなぜですか? 結果どうなりましたか?」
・「これまでのチームや組織において、当初は顧客ニーズが優先事項に入っていなかったが、これを重視すべきだと主張した経験を教えてください。どのように話を通しましたか? どんな困難があり、結果どうなりましたか?」


