北米

2025.04.30 11:00

米航空業界、コスト上昇と観光客減少で窮地に 「不況が進行」の指摘も

Sanya Kushak / Getty Images

欧州の航空会社にも余波

上記のような状況から、航空会社はいま苦境にある。航空業界は3月に消費者が旅行にお金を使わず、企業は幹部らの出張を控えていることに懸念を示した。モーニングブリューは今月、アメリカン航空やサウスウエスト航空、デルタ航空が業績見通しを下方修正したことを受けて、「関税が航空会社の業績を直撃している」と報じた。影響は米国にとどまらない。関税の発表で、ブリティッシュ・エアウェイズなどを傘下に持つインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)やエールフランス・KLM、ルフトハンザ航空など欧州の航空会社の株価は大きく下げた。

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サウスウエスト航空のCEOボブ・ジョーダンはこのほど、新型コロナのパンデミックを除き、国内のレジャー旅行がこれほど落ち込むのは見たことがなく、少なくとも航空業界では不況が進行していると考えていると述べた。

だが、驚くことに影響を受けていない層もある。贅沢な旅をする人たちで、唯一旅行計画を変更していない。エールフランス航空やキャセイパシフィック航空、カンタス航空など一部の航空会社はファーストクラスの客室を改装している。

興味深いことに、この客室改装は法人顧客や、座席をアップグレードしたいレジャー旅行者をひきつけるためではない。主に狙っているのはプライベートジェット利用者だ。環境に負荷をかけているという罪悪感や、プライベートジェットにかかる費用を減らしたいとの思いから航空会社の利用を検討する可能性がある。プライバシーを求める単独行動の要人はファーストクラスの座席4席を購入するかもしれない。それでも飛行機をチャーターするより安くつく。

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米国の旅行業界が政治・経済の問題に苦慮している中、業界を取り巻く状況は大きく変化している。米国を訪れる外国人観光客は減少し、国内旅行者は予算を切り詰めている。そして航空会社は不況に備えている。贅沢な旅をするリッチ層だけがこの不景気をものともせず消費を続けている。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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