北米

2025.04.30 11:00

米航空業界、コスト上昇と観光客減少で窮地に 「不況が進行」の指摘も

Sanya Kushak / Getty Images

不況懸念から旅行支出を切り詰め

米国への旅行を計画している外国人にとって、最大の不安は滞在費だ。米国の消費者も同様の懸念を抱えている。雇用不安やインフレへの懸念、関税など、人々はやむなく、あるいは将来への不安から支出を減らしている。

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・米国の消費者はインフレへの懸念を募らせており、米ミシガン大学の調査によると、消費者マインド指数は3月から4月にかけて8%低下した

・政変に直面し、消費者は必需品以外の買い物を控えている。米食品大手ゼネラル・ミルズは、経済の見通しが良くないことから前四半期のスナックの売上は5%減少したとしている。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、消費者は高いと感じているタバコやスナックの支出を減らしているため、全米のコンビニの売上高は2月に4.3%減少したと報じている。参考までに、ニュースレターのモーニングブリューによると、同月のポテトチップス(容量約450グラム)の価格は2021年2月比で29%高くなり、米政府のデータでは2月の食料品全体の価格は同23%上昇していることが示されている。

・トランプ政権の関税の影響は世界中に及んでいる。ペンギンとアザラシしかいない南極大陸近くのオーストラリア領の無人島でさえ無縁ではない。

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・株式市場は動揺しており、4月3日には急落して時価総額が1兆ドル(約142兆円)吹き飛び、この額は過去5年近くで最大となった。消費者は運用している資産や企業年金の減少を目の当たりにしているため、旅行支出は減る可能性が高い。

・米国の消費者の今年の旅行支出は航空券で前年比10%減、ホテルは同6%減となっている。

・保険会社Squaremouth Insurance(スクエアマウス・インシュアランス)は、平均的な休暇の今年の費用は前年比24%増の7249ドル(約100万円)と予測している。

旅行者は節約に走っている。楽天が発表した調査によると、米国人の56%が今年「ディールケーション」を計画している。つまり、節約するために直前割引になっている旅行先を選んだり、キャッシュバックやポイントを利用したりしている。この傾向はミレニアル世代で強く、同世代の8割の人がお得なプランを見つけるまで予約を控えている。

ル・モンドが報じたところによると、米国を訪れるフランス人旅行者はここ数年であらゆるものの価格が少なくとも25%上昇した現実に適応するため、滞在期間を短くしたり、家の貸し借りができるサイトを利用したりしているという。また、朝食をたっぷり食べ、その後の食事では持ち帰り用のサンドイッチを買ったりしている人もいるという。

旅行調査・マーケティングのMMGYが米国の消費者1000人を対象に行った調査では、3分の1が今年の旅行は近場にする予定で、3分の1近くが旅行先を国外から国内に変更するとしている。

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翻訳=溝口慈子

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