宇宙

2025.04.29 13:00

細い月がすばる、木星、火星と共演 プレセペ星団とかみのけ座を探そう 今週の夜空

三日月と惑星(Shutterstock.com)

三日月と惑星(Shutterstock.com)

今週は細い月と惑星の共演に注目だ。明け方の空には金星と土星がきらめき、夕空で細い月がおうし座のプレアデス星団、木星、火星と接近する。平均29.53日かけて月の満ち欠け(朔望)が一巡する中でも屈指の美しい夜空を堪能したい。4月を見送り、5月を迎える1週間の夜空の見どころについてまとめた。

4月29日(火):月とすばるが出会う

夕方から宵にかけて、西の低空で極細の月がプレアデス星団(すばる)に大接近する。月はとても細く、すばるは少し拡大して見るとすばらしい眺めになるので、双眼鏡を使おう。

4月30日(水):金星と土星、三日月と木星がランデブー

2025年4月30日(東京:午前3時50分ごろ)の東の空(Stellarium)
2025年4月30日(東京:午前3時50分ごろ)の東の空(Stellarium)

日の出の1時間前に起きて東の空を眺めると、マイナス4.7等で明るく輝く金星「明けの明星」が見える。金星は27日に最大光度を迎えたばかりだ。そのすぐ右下には、土星が光っているのが見えるだろう。金星と比べると170倍ほど暗いが、それでも夜明けの光の中で比較的簡単に見つけることができるはずだ。双眼鏡があるなら、金星に向ければ土星も同じ視野に入る。

日没直後は西の空で、木星の近くに三日月を探そう。この2つの天体の下方にはおうし座の赤色巨星アルデバランがあり、ちょうど二等辺三角形の頂点を形づくっている。すぐに地平線の下に沈んでしまうので、見逃さないようにしたい。

2025年4月30日(東京:午後7時ごろ)の西の空(Stellarium)
2025年4月30日(東京:午後7時すぎ)の西の空(Stellarium)

5月1日(水):月と木星

今宵も西の空で木星と月の共演が楽しめる。やや厚みを増した細い月は木星のほぼ真上に位置し、左右に2つの1等星、オリオン座のベテルギウスとぎょしゃ座のカペラが陣取っている。さらに高い位置には火星が見える。

月は、欠けた部分に注目しよう。ほのかに光って見えるはずだ。これは「地球照」といい、地球上の海や氷冠が反射した太陽光によって月の夜側が照らされることで生じる現象だ。

5月2日(金):木星と火星が月をサンドイッチ

2025年5月2日(東京:午後7時すぎ)の西の空(Stellarium)
2025年5月2日(東京:午後7時すぎ)の西の空(Stellarium)

さらに明るさを増した月が、木星と火星のちょうど中間にくる。日没後の西の空に広角で展開される壮大な眺めを楽しんでほしい。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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