2. 意味のある好意を通じて絆を深める
人間関係を深める方法として、助けを求めることはまず思い浮かばないかもしれない。違和感があったり、相手に無理強いをしているように感じたりするからだ。だが研究によると、頼みごとをすることで他者との絆が深まる可能性があるという。
この研究は「甘え」として知られる素晴らしい心理学的概念に触れている。甘えとは、精神的なサポートや愛情を求めて他人に頼ろうとすることを指す。他人に頼ったり助けを求めたりすることでその人との絆が深まるという考え方に根ざしている。
実験では、サクラの人(実際の実験参加者ではなく、参加しているフリの人)が日本人と米国人の参加者に助けを求め、やりとりの後にサクラの人についてどう感じたかを調べた。その結果、直接助けを求められた場合、参加者がサクラの人に対して抱く好感度が上昇していた。また、親近感が増し、参加者が社交的だという印象を持つことも分かった。
これは大きな発見だった。というのも、他人に助けを求めることは無防備な行為だと考える人がいるかもしれないが、そうすることでつながっているという感覚を生み出すことを示唆しているからだ。誰かを必要とし、弱さを見せるという行為は、自分に対して肯定的な感情を相手に抱かせる可能性がある。
この場合、頼っているという感覚と助けるという行為は相互に補強し合う。助けを求める側は支援に感謝し、手を差し伸べる側はその重要性と相手の感謝の念を感じることで心が深く通うようになる。
こうしたことから、支援を求めることをためらうのではなく、自分の弱さを垣間見せる瞬間が、あなたとあなたの人生にかかわる人たちを優しくつなぐものとなり得ると考えたい。誠実かつ控えめに助けを求めることで、こうした頼み事は絆につながり、あなたを信頼していると相手に伝えることになる。絆と信頼は親密な関係を支える強力な要素だ。


