意外な発見は他にも
NOAAが出くわした驚くべき発見は、車だけではない。今回の調査では、空母のエレベーターシャフト内に「USSヨークタウンの航海図」と題された手描きの壁画が見つかった。
それは、空母のこれまでの旅路を記した世界地図だった。「大きさはおおよそ横12m、縦3.7m。このモチーフは、ヨークタウンの乗組員が自分たちの船に抱いていた誇り、ヨークタウンが世界規模で活動していた事実、そしてこの空母が米国の防衛に果たした戦略的役割を示している」とNOAAは述べている。
オケアノス・エクスプローラーのROV「ディープ・ディスカバラー」で沈没した空母の内部を調査するには、高度な操縦技術が必要だった。今回、このROVの敏捷性が重要な発見につながったといえる。NOAAは「潜水調査の結果、海上戦力と航空戦力が激突し歴史の転換点となったミッドウェーの戦場で、水没した状態の航空機を初めて発見できた」と発表した。
調査では、少なくとも3機のダグラスSBDドーントレス急降下爆撃機が見つかった。1機は予備機として待機させていたものとみられ、残る2機は別の空母の所属だった可能性がある。
オケアノス・エクスプローラーの調査結果は、世界史の重要な出来事に新たな光を当てるものだ。NOAAは発表文の中で「USSヨークタウンの残骸は、沈没艦艇としてNHHCに管理・保護されており、何より重要なことに、祖国を守るため命を捧げた何百人もの軍人の永眠の地となっている」と記している。


