株式と債券は、2025年はじめに10~15%かそれ以上に下落したが、その一方で米国の最富裕層の人たちは、株価とは必ずしも連動しない多様なポートフォリオを備えている。つまり不動産、株式非公開企業、暗号通貨、プライベートエクイティ、オルタナティブ投資といった資産だ。
2020~2024年の数年にわたる上昇相場の利益のおかげで、時とともに蓄積されてきた富は、最近の損失があってもまだ消滅していない。例えば、2024年に1200万ドル(約17億2300万円)の資産があった上位1%の投資家は、株式で10%の損失を被ったかもしれないが、不動産やプライベートエクイティの利益でその損失を相殺することで、上位の座を変わらず保っている。
こうしたトレンドは、いくつかの要因に導かれている。新たな関税は、インフレに火をつけて成長を減速させてはいるものの、最富裕層の世帯には、中所得層や低所得層の世帯ほどの影響を与えていない。富裕層はたいてい、市場の混乱に乗じて、下降局面において、本来の価値よりも価格が下がった資産を手に入れる。一方、解雇に関しても、複数の収入源を持ち手広く投資している人たちよりも、賃金労働者の方が大きな打撃を受ける。
米国の最富裕層は、企業、不動産、ビットコイン、暗号通貨、コモディティなどが入り混じる資産をもつ傾向にある。そうした多様さのおかげで、株式だけに頼る場合よりも経済の嵐を乗り切りやすい。上位0.1%に至る主な道は、依然としてテック系スタートアップなどの事業の創業やその拡大だが、高成長率の投資や遺産相続も重要な役割を果たしている。
Z世代が正しい軌道に乗るためには
Z世代とその家族が現在の難局を乗り越えていくには、高収入、賢い投資、起業する勇気が必要になる。小さいことから始め、賢く予算を組み、早期に投資し、影響力の大きいキャリアを追い求めるといい。ハードルは高いかもしれないが、こつこつと努力すれば、手が届かないというわけではない。市場が浮き沈みするなか、今後も超富裕層が主導権を握るだろうが、自分の金銭的な未来の構築には、誰もがいますぐ取りかかれる。
Z世代とその親にとって、ここで挙げた基準は刺激にもなるし、挑戦にもなる。適切な戦略をとれば、上位25%、あるいは上位10%でさえ、手の届くところにある。テック系や医療といった高収入分野は、その基礎になるだろう。15万ドル(約2150万円)の基本給に加えて、毎年かなりの額のボーナスとストックオプションをもらい、1年に3万ドル(約430万円)を貯めるZ世代のソフトウェア開発者なら、10年か20年後には、将来に備えた結構な蓄えができるはずだ。
Vanguardのようなプラットフォームを通じた低コストのインデックスファンドへの投資など、月額50ドル(約7200円)であっても早期に投資を始めれば、時間を味方につけて富を増やすことができる。オンラインマーケットプレイス「Etsy」で副業を始める、Upworkでフリーランスの仕事を受けるといった起業も、歩みを速める上で役に立つはずだ。


