経済・社会

2025.04.30 08:15

ベトナム戦争終結50年 南ベトナムの余命を言い当てた朴正煕

2025年4月19日、ベトナム、ホーチミン市:ホーチミン市でベトナム戦争終結50周年を記念する看板を設置する労働者たち。ベトナム全土、特にホーチミン市(旧サイゴン)では、祝賀行事の準備が進められている。(Photo by Carola Frentzen/picture alliance via Getty Images)

ある夜、南ベトナムの情報機関高官が公邸で夕食会を開いた。照明が煌々と照らす庭の芝生の上で夕食を摂った。康氏が「戦争中でしょう。危険ではないのですか」と尋ねると、南ベトナム関係者は「全く問題ない」と言って取り合わなかった。南ベトナム関係者の態度からは、すべて米軍に頼り切り、「自分たちで国を守る」という決意や信念が感じられなかったという。

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逆に統一を成し遂げた後のベトナムは、積極的な全方位外交を始めた。どの国とも軍事同盟を結ばず、ベトナム国内に他国軍の基地を保有させない方針を維持している。ベトナムの専門家の一人は「ベトナムは大国と国境でつながっている。米国、中国、フランスに侵略された経験もある。私たちの政策は永世中立よりもはるかに積極的なのだ」とも語る。ベトナムは教育でも、ホー・チ・ミン国家主席が語った「独立と自由よりも尊いものはない」という精神を徹底して伝えている。「戦時になれば、どんな形であっても自分のできることをする」と答えるベトナム人がほとんどだ。

石破茂首相は27日、ベトナム共産党のトー・ラム書記長と首脳会談を行い、安全保障協力の強化などで合意した。ラム氏は14日、中国の習近平国家主席とも会談したばかり。5月までに訪米し、トランプ米大統領と会談したい意向も米側に伝えている。

トランプ米大統領はしばしば、日米安保条約への不満を口にしている。日本側は今後、在日米軍駐留経費の負担増を巡る問題が浮上するのではないかと戦々恐々としている。日本は今後、米国と米軍にどう向き合っていくべきなのか。石破首相はベトナム滞在中、何を学んだだろうか。

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文=牧野愛博

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