教育

2025.05.08 15:15

義務教育に「会計」を──小学生も目覚める『豚の貯金箱』理論の勧め

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日本人学生の金融リテラシーはOECDの平均を下回る

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一つ、興味深いデータをご紹介しましょう。経済協力開発機構(OECD)が15歳を対象に3年ごとに実施している世界的な学力調査「PISA(Programme for International Student Assessment)」です。

この調査で日本は「科学的リテラシー」「読解リテラシー」「数学的リテラシー」の3分野ではトップレベルなのに、なぜか「金融リテラシー」の調査には参加していません。金融リテラシーとは、社会の中で経済的に自立し、より良い生活を送るために必要な、お金に関する知識や判断力のことを指します。

そこで、2015年に金融広報中央委員会が日本の高校生を対象に行った「子どものくらしとお金に関する調査」でOECDのPISA調査と似た問題が出題されたため、ニッセイ基礎研究所がこの2つの結果を比較して日本の高校生の金融リテラシーを推計したところ、OECDの平均を下回り、12位という順位だったのです。

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このような結果となったのは、日本の子供たちが「お小遣いを無条件でもらう」「お金を払った際におつりを確認しない」割合が高いことが影響しているのではないかと言われています。

子供の頃からのこういった金銭教育が不足していることが、日本の高校生の金融リテラシーが低い一因かもしれません。PISAの他の分野では優れた成績を収めているのに、日本が金融リテラシー調査に参加していないのも、教育課程での意識の低さを表しているように思えます。

子供の頃にお金の流れを理解するための教育機会が不足していると、大人になってから会社経営やビジネスの会計管理で苦労することにつながりかねません。

たとえば、収支のバランスを適切に把握できず、資金繰りに困ったり、税務や財務計画の重要性を理解しないまま経営判断をしてしまったりすることも考えられます。結果として、企業の成長を妨げ、経営の安定性を損なうリスクが生まれてしまうのです。 

今回は、義務教育段階での会計教育の必要性について、海外との比較やメリット、そして「風船会計メソッド」のような具体的な教育手法を交えて説明しました。このテーマに興味を持っていただけたなら、ぜひ一緒に考えてみませんか?

文=松本めぐみ

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