2005年4月23日、YouTubeの共同創立者の一人であるジョード・カリム氏が「Me at the zoo」と題した19秒のショートムービーをYouTubeに公開した。この時に動画プラットフォームとしてのYouTubeが産声をあげる。そして20周年を迎えたYouTubeはいま動画プラットフォームとして大きく育ち、YouTuberとも呼ばれるクリエイターを世界中に輩出している。
YouTubeのCEOであるニール・モーハン氏が、20周年の記念に世界各国からカリフォルニアのYouTube本社に集まったジャーナリストに対して、YouTubeの成功の軌跡と未来の展望を語った。
瞬く間に小さなスタートアップが巨大企業に変貌を遂げた
モーハン氏とYouTubeとの関係は、彼が米国のインターネット広告配信のDoubleClickという企業で広告プロダクトを担当していた頃に始まった。
「YouTubeはカリフォルニアのサンマテオという街の、1階にピザ屋があるビルの上にオフィスを構えるスタートアップでした。当時から私はYouTubeが何か特別な存在になるという確信を抱いていました」
「YouTube=あなたのブラウン管」という名前のとおり、インターネットを通じて大勢の人々とつながり、自分のストーリーを語り、共有できる場所を求めていた人々の期待を満たしたYouTubeは、そこから20年の間に急成長を遂げる。ちなみに、ピザ屋はまだサンマテオの同じビルにあるが、YouTubeは近隣のサンブルーノに全6棟のビルが立ち並ぶ広大な敷地に本社拠点を構えている。
誕生から20年間、YouTubeに公開された長尺・短尺の動画、ポッドキャストなど音声コンテンツの累計数は200億を超える。2025年3月現在、YouTubeには平均して毎日2000万本以上の動画がアップロードされている。
2007年にYouTubeパートナープログラム(YPP)が始まってから、クリエイターは動画の視聴回数やチャンネル登録者数などの指標に応じて、YouTubeが獲得した広告収益の分配を受けられる仕組みが整った。2021年から2023年までの3年間に、YouTubeが個人や企業のクリエイターに分配した収益の総額は700億ドル(約10兆円)に上り、過去最大規模に到達した。



