YouTubeはクリエイターのホームグラウンド
モーハン氏は、YouTubeとクリエイターはいっしょに進化の歴史を歩んできたパートナーなのだと強調する。
「初期のYouTuberは自宅のキッチンや寝室、リビングにカメラを置いて動画を撮り、発信していました。今ではロサンゼルスに拠点を置くアラン・チキン・チョウのように、ハリウッドも顔負けなほど巨大なスタジオを構え、大勢の制作スタッフといっしょに質の高いコンテンツをつくる人気のクリエイターがいます」
YouTubeが世界最大のクリエイター経済圏を確立できたことも誇らしいのだと、モーハン氏は胸を張る。現在、YPPに参加して、YouTubeを主な収入源とするクリエイターが世界中に数百万人以上いる。クリエイターの成功を支えながら、YouTubeはクリエイターとの強い信頼関係を築いてきた。
コンテンツを収益化できるプラットフォームであることだけが、人気のクリエイターがYouTubeに集う理由ではない。視聴者であるユーザー、あるいは熱心なファンとの強いエンゲージメント(つながり)が生まれる仕組みがそこにあるからだ。2024年には、YouTubeのユーザーがクリエイターのコンテンツに対して毎日平均1億件以上のコメントを寄せる記録を打ち立てた。さらにお気に入りのチャンネルが登録できる「チャンネルメンバーシップ」、いわゆる「投げ銭」機能の「Super Chat」や、クリエイターが勧める商品を販売できるストア機能の「YouTubeショッピング」は、ファンとのエンゲージメントを強固にする役割も果たしている。
モーハン氏はチャンネル登録者数が1億人を超える、米国のトップクリエイターであるMrBeast(ミスタービースト)が「YouTubeファースト」を成功するための鉄則のひとつに掲げていることを例に挙げて、次のように話した。
「クリエイターの方々はYouTube以外のプラットフォームにもコンテンツを発信しています。ところが、YouTubeがファンたちとの絆を最も強くできるプラットフォームであることから、ミスタービーストのようにYouTubeを『ホーム=わが家』と呼んでくれるクリエイターが多くいます」
MrBeastの最新動画「この動画を見ると1人に食料が届く」日本語音声による吹き替え視聴が楽しめる。


