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2025.05.03 11:30

旨味アップのスプーンから電動義手まで。日本発の最先端ガジェット

なぜ、あの会社の商品はユーザーの心に刺さるのか──。技術的なブレイクスルー、こだわり抜いたデザイン、ユニークなビジネスモデル、エシカルでサステナブルな企業姿勢、独自の営業手法、巧みなマーケティング戦略……。世の中で今、注目されている商品には、最先端のエッセンスが詰まっている。爆発的ヒット作の徹底分析と、次に来る消費トレンドの予測を通じて、これからの商品展開の鍵を見つけよう。

果たして世界的なヒット作は生まれるのか。「CES 2025」で話題を呼んだ日本発の最新プロダクトを紹介。


1月に米国ラスベガスで開催されたテクノロジーイベント「CES 2025」に出展した日本企業のうち、イノベーションアワードを受賞したプロダクトを中心に、革新性・独創性に優れたものをピックアップした。新しい発想のアイテムや、これまでに見たことのないような筐体のものもあるが、多くのプロダクトに共通しているのは、生成AIをどう実装していくかという視点で開発が進められていることだ。カバーストーリーで紹介したソニー・ホンダモビリティの新型EV「AFEELA」も然り。これからのハードウェア・プロダクトは、技術性能の向上のみならず、AIを中心としたソフトウェア・デファインドの思考で、ユーザーに新しい体験価値を提供できるかがヒットの明暗を分けていきそうだ。

HAGAMOSphere

ファインケミカルメーカーのDICが統括し産学連携で開発した球体ドローン。立方体のフレームに8つのプロペラを搭載し、バランスを保ちながら水平・垂直に移動することができる。被災地調査や探索などの幅広い活躍が期待される。

Electric Salt Spoon

キリンホールディングスと明治大学で開発した電気味覚スプーン。塩味の基となるナトリウムイオンは口内で分散されてしまい、味として知覚されにくいが、このスプーンは先端から微量な電流を流し、減塩食の塩味やうま味を増強させる独自技術を搭載。

Mi-Mo

視覚・音声・動作などの入力に基づいて自律的に考え行動する、カスタマイズ可能な汎用AIロボット。AIスタートアップのJizaiが開発。天板や脚の部分には木材を使用。生き物らしい多彩な動きを実装し、人と自然なインタラクションを行う。

Nekojita FuFu

容器や食器のフチにかけることで中身をフーフーして冷ましてくれるミニ猫型ロボット。ユカイ工学が開発。たまに耳が動いたり、「にゃーにゃー」と鳴いたり、「ぜぇ、ぜぇ」と息切れすることも。家庭の食卓に癒やしをもたらし、会話のきっかけを与えてくれる。

Romi

会話に特化した手のひらサイズのコミュニケーションロボット。開発元はMIXI。独自開発のAIを搭載し、最新の「Lacatanモデル」では、視覚や長期記憶の機能を強化。より自然なオーナーに寄り添った会話ができるようになった。

AR glasses

通常のメガネ同様の薄さと軽さ(約58g)で、8MPの高解像度、84度の広視野角カメラ、3軸IMUセンサーを搭載した光学シースルーのARグラス。開発元はCellid。相手の顔を認識して名刺情報などを瞬時に表示するなど、生成AI連動での実用化が期待される。

Bio Leg

多くの義足は動力をもたず、さまざまな不自由さが残る。BionicMが開発する義足ロボットは、センサー等によりユーザーの動作を認識しつつ、電動モーターで能動的に日常動作をアシストしてくれる。世界最大の義足市場、米国を主軸に販売加速中。

写真=西原秀岳、草間智博

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