北米

2025.04.26 10:00

トランプの政策は支離滅裂、リチャード・ブランソンが苦言「巨大な過ちを認めるべき」

リチャード・ブランソン(Photo by John Lamparski/Getty Images)

リチャード・ブランソン(Photo by John Lamparski/Getty Images)

英国のビリオネア、リチャード・ブランソンはトランプ米大統領の政策が「世界に巨大な損害をもたらす危険がある」と警告し、大多数の米国民が彼を支持していないはずだと語った。

ブランソンが率いるヴァージン・グループは、航空業界を含むさまざまな事業への投資ポートフォリオを保有している。推定保有資産が28億ドル(約4000億円)の彼は4月23日、トランプの経済政策が「支離滅裂で予測不可能だ」と記者団に語った。

「ヴァージングループの事業は、今のところすべて順調だ。しかし、トランプが今のままのやり方を続けるのであれば、世界へ非常に大きな損害を与える危険があると感じる」とブランソンは述べた。

2期目の大統領に就任して以来のトランプは、何度も貿易相手国に対する制裁的な措置を予告しては、土壇場で一部を見送ったり撤回したりしてきた。一部の政府関係者はこれを交渉戦術だと説明しているが、ブランソンのようなビジネスリーダーは、トランプ政権の不確実性が市場の混乱を招き、対応が困難になっていると訴えている。「大統領がやっていることを、大多数の米国人が支持しているとは思えない」と彼は述べている。

ブランソンがこの発言を行ったのは、4月23日に開かれたヴァージン・アトランティック航空によるサウジアラビアの首都リヤドへの新路線開設を記念するイベントでのことだった。ヴァージン・アトランティック航空のフライトのうち約60%は米国路線に向けられており、同社はトランプ関税の影響を他社よりも受けやすい立場にある。

同社は3月末に、米国から英国への旅行需要がすでに鈍化しており、米国人消費者の間で不確実性が高まっていると警告していた。関税が物価を押し上げ、経済成長を鈍化させるという懸念から、消費者が旅行の計画に慎重になる傾向が早くも見られ始めている。

4月初旬、ブランソンはトランプ政権に対し「巨大な過ちを認め、方向転換すべきだ。さもなければ、米国は何年も苦境に立たされることになる」と警告した。「ドル安が進めば、米国の消費者物価は上昇する」と彼はX(旧ツイッター)に投稿した。

「その結果、膨大な数の中小企業が倒産するだろうし、実際すでに倒産が相次いでいる。これは長期的に見て勝ち目のない戦いだ。米国政府は今ならまだ軌道修正できるが、そのためには今すぐ行動を起こす必要がある」とブランソンは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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